MANIA MANIERA

『MANIA MANIERA』は、1982年12月15日に発表されたムーンライダーズの8枚目のオリジナル・アルバムです。

CDのみのリリースという希少性

当時普及していなかったCDのみでリリースされた本作は、プレス枚数がわずか200～300枚という極めて少ないものでした。そのため、オリジナル盤はメンバーでさえ所有していないという逸話が残っています。その後、冬樹社からカセットブック、T.E.N.T/ポニーキャニオンからアナログ盤とCDが再発されました。

『労働』をテーマにしたコンセプト

アルバムのコンセプトは『労働』。しかし、その難解さからレコード会社にクレームが入り、発売中止の危機に瀕したと言われています。もっとも、実際には会社からの圧力はあったものの、最終的には時代に合わないという判断から、メンバー自身が発売中止を決めたそうです。その方がかっこいいから、という理由も語られています。制作時期は前作『青空百景』よりも早く、1981年から開始されました。

ジャケットデザインの変遷

オリジナル盤のジャケットは、社会主義や共産主義をイメージさせる赤いデザインで、アーバンギャルドなどに影響を与えたとされています。ポニーキャニオンから再発された際には新しいデザインに差し替えられましたが、iTunes Storeなどの配信ではオリジナルのジャケットが復活しました。

収録曲

Kのトランク
作詞：佐藤奈々子　作曲：岡田徹
タイトルの「K」は鈴木慶一のイニシャル。
ライブでは歌詞の一部が変更されている。
花咲く乙女よ穴を掘れ
作詞：糸井重里　作曲：鈴木慶一
檸檬の季節
作詞：佐藤奈々子　作曲：鈴木慶一・鈴木博文・武川雅寛
気球と通信
作詞・作曲：橿渕哲郎
バースディ
作詞：佐伯健三　作曲：白井良明
工場と微笑
作詞・作曲：鈴木博文
ばらと廃物
作詞：鈴木博文　作曲：岡田徹
滑車と振子
作詞・作曲：鈴木博文
温和な労働者と便利な発電所
作詞：鈴木慶一　“発電所”：太田螢一　作曲：ムーンライダーズ
スカーレットの誓い
作詞：橿渕哲郎　“薔薇”：佐藤奈々子　作曲：橿渕哲郎

『MANIA MANIERA』は、ムーンライダーズの実験精神と時代に対する挑戦が込められた、まさに異色作と言えるでしょう。

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