MIND DROPS

尾崎亜美『MIND DROPS』：音楽性の進化と新たな挑戦

1977年6月5日にリリースされた尾崎亜美の2ndアルバム『MIND DROPS』は、彼女の音楽的な才能がより一層開花した作品として評価されています。全曲の作詞・作曲を尾崎自身が手掛け、前作『SHADY』に続き松任谷正隆が全編曲を担当。東芝EMI/エキスプレス・レーベル10周年記念作品の一枚として発売されました。

サウンドの進化と松任谷正隆のプロデュース

アルバムタイトルは松任谷由実の発案によるもので、ボサノヴァやジャズのリズムを取り入れるなど、前作よりもサウンドの幅が広がっています。松任谷正隆のプロデュースにより、尾崎亜美の音楽性がより洗練され、多彩なサウンドが展開されています。

シングル曲とアルバム未収録の代表曲

2枚目のシングル「旅」と4枚目のシングル「初恋の通り雨」が収録されていますが、どちらもレコーディングし直され、シングルとは別音源となっています。尾崎の代表曲である「マイ・ピュア・レディ」は、プロデューサーの松任谷の意向により、アルバムのコンセプトに合わないという理由で収録が見送られました。尾崎自身は後に、収録しても違和感はなかったかもしれないと回顧しています。

デュエット曲と豪華ミュージシャン

A-1「太陽のひとりごと」は、トワ・エ・モワの元メンバー芥川澄夫とのデュエット曲、A-4「うわさの男」は南佳孝とのデュエット曲です。また、林立夫（Drums）、高水健司、後藤次利（Bass）、鈴木茂（Electric Guitars）など、豪華ミュージシャンが参加し、アルバムに彩りを添えています。

紙ジャケット仕様の再発とボーナストラック

2009年4月22日には紙ジャケット仕様で再発売され、「マイ・ピュア・レディ」とB面曲「サンライト」がボーナス・トラックとして追加収録されました。これにより、アルバムの魅力をさらに深く味わうことができます。

まとめ

『MIND DROPS』は、尾崎亜美の音楽的な才能と、松任谷正隆のプロデュースワークが融合した名盤です。ボサノヴァやジャズを取り入れたサウンド、豪華ミュージシャンの参加、そして尾崎自身の歌声が、聴く人を魅了します。尾崎亜美の音楽の魅力を堪能できる一枚として、ぜひ手に取ってみてください。

参加ミュージシャン
Vocal - 尾崎亜美
Vocal on「太陽のひとりごと」- 芥川澄夫
Vocal on「うわさの男」- 南佳孝
Drums - 林立夫
Bass - 高水健司、後藤次利
Electric Guitars - 鈴木茂
Acoustic Guitars - Ted M. Gibson
Banjo - 吉野五郎
Pedal Steel Guitar - 駒沢裕樹
Percussion - 斉藤ノブ
Keyboards - 松任谷正隆
Sax solo on「さよならを言うために」- 岡崎広志
Sax solo on「Booming Cracker」- 清水牧夫
Soprano Sax solo on「旅」- 村岡建
Trumpet - 羽鳥浩次
Flugelhorn - 大竹守、数原晋、鈴木竹久
Trombones - 新井英治、平内保夫、岡田澄雄、Michio Muraoka
Sax - 砂原俊三、三森一郎、斉藤清
Flute - Shigeo Suzuki
Horn - 沖田晏広
Oboe - 坂宏之
Harp - 山川恵子
Chorus - Time Five、伊集加代グループ
Strings - 玉野ストリングス、Tomato Strings
Conducter - 松任谷正隆

レコーディングスタッフ
プロデューサー：松任谷正隆
ディレクター：武藤敏史
レコーディングエンジニア：Ryoji Hachiya

カバーデザイン
アートディレクション：Miwako Kato
写真：Kenji Hata

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