MP-443

イジェメック MP-443（ИМЗ MP-443）

イジェメック MP-443、一般にはPYa「グラッチ」として知られるこの自動拳銃は、ロシアのイジェフスク機械工場によって開発されました。この拳銃は、技師ウラジミール・ヤリギンの手によって設計され、9x19mmパラベラム弾を使用しています。西洋のデザインに似ている部分もありますが、スライドやグリップフレームは伝統的なスチール製を採用しており、保守的かつ堅実な構造になっています。

MP-443は標準的な弾薬だけでなく、中央精密工学研究所が開発した9×19mmPBP弾などの高性能徹甲弾も発射可能です。この特徴により、OCT R 50744-95規格のクラス2aの防弾装備も貫通する能力を有しています。また、2008年からはロシア連邦軍やFSB、MVDのスペツナズに配備されており、その後、MP-446というモデルが欧米市場向けに製造・販売されていることから、民間市場においても注目されています。

歴史

MP-443の開発は1990年代初頭に始まりました。この時期、ソ連の防衛省は次世代拳銃の開発計画「グラッチ」をスタートしました。技師のヤリギンは1993年に試作品のMP-443を完成させ、その後2000年まで実地テストが行われました。2003年にはロシア連邦軍によって「9-мм пистолет Ярыгина（9-mmヤリギン式拳銃）」これを略してПЯ（PYa）として正式に採用されました。2010年代に入ると、ロシア連邦軍、内務省でもMP-443は実際の運用に用いられるようになり、2011年からは旧式のPMからの更新も進められています。

バリエーション

MP-443にはいくつかのバリエーションがあります。なかでも、MP-446バイキングは強化ポリマー製のグリップフレームを持ち、主に欧米およびロシアの民間市場向けに生産されています。また、MP-353とMP-472というモデルは非致死性のピストルであり、特定の用途向けに設計されています。

配備国

この拳銃はロシア国内だけでなく、カザフスタン、アルメニア、ベラルーシ、リトアニアといった国々にも配備されています。これにより、MP-443は国際的にも影響力を持つ武器となっています。

まとめ

イジェメック MP-443は、その伝統的な設計と高い性能により、ロシアを代表する自動拳銃となっています。今後も、軍や民間市場での多様なニーズに応えるために、進化し続けることが期待されます。

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