MRE

MRE（Meals Ready-to-Eat）について

MRE、すなわちMeals Ready-to-Eat（食べられる状態の食事）は、アメリカ軍において使用される個別包装された食事のことです。この食事は1980年代に導入され、以前のCレーションを置き換える形で発展しました。Cレーションは缶詰を主体としていたため重量が重く、空き缶の処理が課題でした。それに対してMREはフリーズドライや煮込み料理など多様な食材を利用し、軽量化と合理化を目指して開発されました。

開発の歴史

アメリカ国防省は1975年にMREを正式に採用し、開発が進められました。1978年には製造テストが始まり、1981年から本格的な製造が始まりました。最初に製造されたMRE Iは、初めて製造日が刻印されたバージョンです。1983年には、第25歩兵師団での実地テストが行われ、３食すべてをMREで賄う形で有効性が確認されました。このテストの結果、全体的にはポジティブな評価を受けつつも、味に関しては改善の余地が多いとのフィードバックがありました。

その後、1988年にはMRE XVIIIから味やメニューのバリエーションが増やされ、12食中9食の主食が変更され、量が増加するなどの改善がなされました。1990年代には湾岸戦争のフィードバックに基づき、乾燥コーヒー粉末の改良、タバスコソースのメニュー全体への追加などが実施されました。

メニューの特徴と変遷

MREは驚くほど幅広いメニューを提供しており、2018年時点で24種類のメニューが用意されています。さらに年を重ねるごとに毎年数品目が変更され、さまざまな需要に応じて進化しています。主な料理は煮込み料理が中心ですが、クラッカーやトルティーヤ、グラノーラなども含まれています。加えて、飲み物として粉末ジュースやコーヒーが含まれており、他にもケチャップやマスタード、タバスコなどの調味料も揃えられています。

MREの特徴的な要素には、温かい食事を提供するためのFRH（フレームレス・レーション・ヒーター）が付属していることが挙げられます。これは化学反応を利用したヒーターであり、熱源を持たずに食事を温めることができます。この機能は特に戦地での便利さを向上させました。

賞味期限と流通

MREは長期間の保存が可能で、外気温27度で3年間、38度でも6ヶ月以上保つことができます。ただし、高温環境下では劣化が早くなるため、注意が必要です。一般的には軍用品であるため、民間での流通は限られていますが、アメリカ軍基地のある地域では比較的手に入りやすい状況です。

しかし、このMREを消費する際には注意が必要で、特に流通過程や保管状態によっては、味や品質に疑問が残ることもあります。製造時期を確認して、食べられる状態か判断することが重要です。

まとめ

MREはアメリカ軍の兵士にとって欠かせない食事であり、時代とともに変化を続けています。長期間にわたるフィードバックを通じて、味やメニュー内容が改善され、より実用的で食べやすい食品としての地位を築いています。未来に向けては、さらなる改善が期待されるでしょう。

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