MRT環状線

MRT環状線（Circle Line）

シンガポールの都市交通を担うMRT（Mass Rapid Transit）ネットワークの一部である環状線は、SMRTトレインズによって運営されています。この路線は、その名の通り、シンガポール中心部を環状に結ぶことを目指して建設されており、ほとんどの区間が地下を走行しています。当初は世界最大の全自動運転路線となる予定でしたが、計画の遅延により、ドバイメトロにその座を譲ることになりました。

特徴

環状線の最大の特徴は、従来のMRTとは異なり、司令室からの集中制御による全自動運転システムを採用している点です。これにより、無人での列車運行が可能となり、運行効率の向上とコスト削減が図られています。

建設プロジェクトには、大成建設をはじめとする日本の企業も多数参加しており、複数の工区に分けて段階的に工事が進められました。現在までに5段階の工区が発表されており、ドビー・ゴート駅からハーバー・フロント駅までの区間が開通していますが、完全な環状にはなっていません。将来的には第6段階の建設により、環状運転が実現する予定です。

沿革

環状線の建設は、当初の計画よりも大幅に遅れており、第1段階であるドビー・ゴート駅からスタジアム駅の区間は、2008年の完成予定でしたが、ニコール・ハイウェイ駅周辺でのトンネル倒壊事故により2010年に延期されました。この事故の影響で、マリーナ・ベイ延伸以外の区間の完成も延期されることになりました。

2011年10月には、一部区間を除いて開通し、無人走行での運行が開始されました。ただし、開業当初の半年間は、安全確保のため、先頭車両に職員が同乗して試運転が行われました。全線開通は2012年に予定されています。

また、2013年に開通したMRTダウンタウン線の第1段階区間は、環状線の支線として機能しています。

車両基地

環状線の運行を支える車両基地は、キム・チュアン車両基地です。この基地は、列車の保守・点検だけでなく、路線の運行を制御する重要な役割も担っています。

開業状況

環状線は以下の日程で段階的に開業しました。

2009年5月28日：バートレイ駅 - メリーマウント駅間（第3期）
2010年4月17日：ドビー・ゴート駅 - タイ・セン駅間（第1、2期）
2011年10月8日：カルデコット駅 - ハーバー・フロント駅間（第4、5期）

駅一覧

環状線の駅は、ほとんどが地下駅で、駅名標記は英語表記が斜体で示されています。

関連項目

マス・ラピッド・トランジット (シンガポール)
シンガポールの鉄道

外部リンク

Land Transport Authority's Circle Line Project
* Circle Line Art (Land Transport Authority)

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