MUSIC AWARDS JAPAN 2025

MUSIC AWARDS JAPAN|MUSIC_AWARDS_JAPAN 2025

「MUSIC AWARDS JAPAN|MUSIC_AWARDS_JAPAN 2025」（ミュージック・アワード・ジャパン 2025）は、カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会（CEIPA）が初めて主催した音楽賞です。2025年5月21日と22日の二日間にわたり、京都市のロームシアター京都で授賞式が開催されました。

この賞は、「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」というコンセプトのもと、日本の音楽を広く世界に発信し、音楽の未来を切り拓くと同時に、海外アーティストの日本市場への進出を後押しすることを目的としています。文化庁の協力も得て展開されました。

賞の設立は2024年10月21日に発表されました。当時の説明会では、日本レコード協会会長でもあるCEIPA理事長の村松俊亮氏が、ストリーミングサービスの普及に伴うヒット構造の変化に言及し、若く才能あるアーティストの海外での認知度向上を目指す意図を説明しました。また、日本音楽出版社協会会長で賞の実行委員会副委員長を務める稲葉豊氏は、将来的にはアメリカのグラミー賞のように、この賞を長く続けていきたいという継続性への思いを語りました。記者から「アジア版グラミー賞」に相当するかという問いがあった際には、これこそがそれに当たるとの認識が示されました。

国内の既存の音楽賞との大きな違いとして、実行委員会委員長である日本音楽制作者連盟理事長の野村達矢氏は、「アーティストが選考に参加し、投票権を持っていること」を挙げました。透明性を重視し、厳正な投票と選考プロセスを経て受賞者や受賞作品が決定される点が強調されました。

受賞対象は、2024年2月5日から2025年1月26日までの期間に各種音楽チャートにランクインした作品やアーティストです。音楽的な創造性や芸術性に優れた楽曲、アルバム、アーティストが称えられます。

2024年12月17日には、各部門の詳細や投票方法などが発表されました。主要6部門を含む60以上の部門やカテゴリが設けられ、一般リスナーが参加できる部門も創設されました。投票はオンラインの専用システムを通じて行われ、アーティスト、クリエイター、レコード会社関係者、メディアなど、5000人以上の多岐にわたる音楽関係者で構成される投票メンバーによって、厳密なルールに基づいて実施されました。

主要6部門の選考は、Billboard JAPANやGfK、ルミネイトといったチャートデータに基づき、期間を区切って作成されるアワード独自のチャートで一定以上の成績を収めた作品やアーティストがエントリー対象となる方式が採用されました。特にユニークな点として、「その年に発売された楽曲」ではなく「対象期間のヒットチャートにランクインした楽曲」が機械的にエントリーリスト化されるため、集計期間外にリリースされた過去の作品（例えば、2022年の藤井風のアルバムや2023年のYOASOBIの楽曲、さらには27年前に発表された宇多田ヒカルの楽曲など）が受賞対象となる可能性がありました。

2025年3月13日にはエントリー作品発表会が行われ、最優秀楽曲賞に256曲、最優秀アーティスト賞に167組などが選出されました。この発表会では、本アワードを象徴する存在としてYELLOW MAGIC ORCHESTRAが「SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN|MUSIC_AWARDS_JAPAN 2025」に決定したことも発表されました。エントリー発表後、3月13日から31日まで一次投票、4月17日のノミネート発表会を経て、同日から4月30日まで最終投票が実施されました。

最多ノミネートは、アーティスト部門ではCreepy Nuts|Creepy_Nuts（15部門）、楽曲部門ではCreepy Nuts|Creepy_Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」（12部門）でした。

授賞式は二日間に分かれて行われました。5月21日の「Premiere Ceremony」では40部門の発表が行われ、受賞者であるMrs. GREEN APPLE|Mrs._GREEN_APPLEや新しい学校のリーダーズ、Creepy Nuts|Creepy_Nutsらが出席しました。翌22日のメインセレモニー「Grand Ceremony」では、主要な賞の発表に加え、AIや宇多田ヒカル（事前収録）、藤井風、YOASOBIなど9組のアーティストによるパフォーマンスが披露されました。

授賞式の司会は、21日が井桁弘恵、森香澄、谷中敦（東京スカパラダイスオーケストラ）、22日の「Grand Ceremony」は菅田将暉が担当しました。また、業界への長年の貢献を称える「MAJ TIMELESS ECHO」が新設され、矢沢永吉が受賞者として発表されました。

授賞式の模様は、NHKによる生中継（地上波・BS）や、テレビ東京系列での録画放送（演歌・歌謡曲部門）が行われました。また、YouTube公式チャンネルでの全世界配信、radikoの期間限定専門局での音声ライブ配信など、多岐にわたるメディアを通じて国内外に届けられました。授賞式期間中は、YouTube Music Weekendやラジオ特番といった関連イベントも展開され、アワードを盛り上げました。

なお、ノミネート発表後、最優秀アニメ楽曲賞にノミネートされていたAdoの楽曲「唱」について、アニメテーマ曲ではないにも関わらずエントリーリストに含まれてしまった不備が判明し、ノミネートが取り下げられるという出来事もありました。

もう一度検索