Macintosh IIcx

Macintosh IIcx：静音性と拡張性を両立したモジュラーデザイン

Macintosh IIcxは、1989年にApple Computerから発売されたパーソナルコンピュータです。Macintosh IIxの発売からわずか半年後に登場しました。筐体デザインはMacintosh IIを継承し、フロッグデザインによるデザイン言語「スノーホワイト」を踏襲。当時のApple社内デザイナー、Gavin Ivesterらが担当しました。

静音化と小型化

IIcxは、IIxをベースに改良が加えられた機種で、以前の機種よりも静音性が向上しています。これは、ファンへの電力供給を減らしたことによるものです。また、NuBusスロットを3つに減らすことで、筐体の小型化も実現しました。コンパクトな筐体は、Appleが横置きと縦置きの両方に対応した唯一のもので、後継機種のMacintosh IIciやQuadra 700にも流用されました。縦置きのコンセプトは、CEOのジョン・スカリーが机上の占有面積を減らすために提案したもので、最初のミニタワー筐体のひとつとなりました。

モジュラーデザイン

IIcxの導入時、当時のApple幹部であったジャン＝ルイ・ガセーが、聴衆の前でIIcxの部品を組み込むデモンストレーションを行いました。モジュラーデザインを採用したことで、組み立てや修理が容易になり、ユーザーはRAM、NuBusスロット、電源などをネジ止めなしで手軽に設置できることを歓迎しました。

スペック

Macintosh IIcxは、16MHzのMC68030プロセッサとMC68882 FPUを搭載しています。NuBusスロットを3基搭載し、ハードウェアをプラグアンドプレイで拡張できます。3.5インチのハードディスクドライブ（標準容量は40MBまたは80MB）内蔵モデルが発売されました。同時期に発売されたMacintosh SE/30と同様に、キーボードやマウスの接続用にApple Desktop Bus (ADB) を備えています。キーボードは別売で、ADB AppleキーボードまたはApple拡張キーボードを選択できました。Macintosh IIcxのロジックボードにはビデオ回路は搭載されておらず、別途NuBusのビデオカード（最大3枚搭載で3画面表示が可能）が必須でした。日本でも1989年に発売開始され、OSは漢字Talk 6.0が搭載されました。

その後

Macintosh IIcxは、Macintosh IIciに置き換えられる形で販売終了となりました。

外部リンク

Specifications at Everymac.com
Macintosh IIcx technical specification at apple.com

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