Major Turn-Round

Major Turn-Round

TM NETWORK|TM_NETWORKの9枚目のオリジナルアルバム『Major Turn-Round』は、2000年12月25日にリリースされました。このアルバムは、前作『EXPO』から9年ぶりのオリジナルアルバムとして、インディーズから発売されました。当初はROJAM、新星堂、TSUTAYAなどの店舗でのみ限定的に販売されていましたが、2003年2月5日には一般流通向けに蔵出し音源を収めた2枚組『キヲクトキロク 〜 Major Turn-Round』がR&C Japanからリリースされました。

アルバムの背景

アルバムは、アルファ・レコードやメジャーレーベルTRUE KiSS DiSCからリリースされたシングル曲や、インディーズでリリースされた3枚の先行シングルとは違い、収録内容が異なります。このアルバムは、初回版と通常版で仕様が異なるという特徴があります。また、アナログ盤として『DRESS』以来となる3枚組が発売され、その中にはCDには収録されていない「SLOWDOWN MIX」も含まれています。

録音と制作

このアルバムでは、70年代のプログレッシブ・ロックを意識し、メロトロンやハモンドオルガン、mini moogなどのアナログシンセサイザーが多用されています。ライブツアー「TM NETWORK|TM_NETWORK TOUR MAJOR TURN-ROUND」では、これらのアナログシンセに加えて最新のシンセサイザーも使用されました。録音はPro Toolsを用い、音質にこだわり傑作へと仕上げられています。

サイモン・フィリップスが参加した際には、彼の助言を受けた小室は、演奏者に自由にプレイさせるというスタイルが非常に効果的であると認識されました。この製作プロセスの中で、音楽的なイメージがしっかりと固まられていったといえます。

音楽性とテーマ

アルバムのテーマは、若者が抱く時代の閉塞感や、本当の居場所を求める心の葛藤が反映されています。小室は「若い世代にも居場所や遊び場がたくさん提供さる今、どこに本当の居場所があるのかという問いかけ」を音楽で伝えています。この絵画的なビジョンは、サイモンとの密な打ち合わせを通じて具現化されています。

アートワーク

ジャケットは、プログレッシブ・ロックのアイコンであるロジャー・ディーンが手掛けており、ビジュアル面でも優れた作品とされています。

曲目の特徴

アルバムには「WORLDPROOF」や「MAJOR TURN-ROUND」など、さまざまな楽曲が収録されています。「WORLDPROOF」では、ハワイの海で収録された水の音が使われており、深い感情を伝える工夫がなされています。「MAJOR TURN-ROUND」は、映画『パーフェクトストーム』のセリフからインスパイアを受けた内容です。

批評と評価

音楽評論家の平山雄一氏は、このアルバムの歌詞の壮大さに注目し、テーマに深い関心を寄せています。テーマ性とメロディが見事に融合した作品として、多くの音楽ファンに評価されています。

まとめ

『Major Turn-Round』は、TM NETWORK|TM_NETWORKの革新的な音楽スタイルと深いテーマを表現した重要なアルバムであり、彼らの音楽的な進化を象徴しています。各楽曲の背後にあるストーリーや制作エピソードは、聴く人々にさらなる感動を与えることでしょう。

もう一度検索