メッサーシュミットMe 310
メッサーシュミットMe 310は、第二次世界大戦の最中、
ドイツで試作された重戦闘機です。この機体は、失敗作とされたMe 210の改良型として位置付けられ、同時期に開発されていたMe 410とは異なり、高高度での戦闘能力を重視して設計されました。
設計と開発
Me 310は、高高度での戦闘を目指し、与圧されたコクピットや2基の
ダイムラー・ベンツDB 603A
エンジンを搭載していました。これにより、パイロットは高い高度での飛行が可能となり、また
エンジンの出力はそれぞれ1,750hpを誇ります。武装も考慮され、20mmのMG 151/20機関砲を2門、7.92mmのMG 17機関銃を2門、さらに後方射撃用に遠隔操作の13mm MG 131機関銃を2門装備する予定でした。これにより、敵機に対する攻撃力を強化しようとしたのです。
この試作機の最初のフライトは、
1943年9月11日に行われましたが、開発はMe 410に比べて遅れをとってしまいました。さらに、先に試作されたMe 410が予想以上の高性能を示したため、Me 310の開発は
1943年末に中止される運命を辿ります。
スペック
- - 型式: Me 310 A-1
- - 全長: 12.00m
- - 全幅: 17.90m
- - 全高: 4.28m
- - 翼面積: 37.7m²
- - 全備重量: 11,026kg
- - エンジン: ダイムラー・ベンツDB 603A (1,750hp × 2)
- - 最高速度: 660km/h
- - 実用上限高度: 11,000m
- - 航続距離: 1,923km
武装
乗員
このように、メッサーシュミットMe 310は高高度戦闘機としての特徴を持ちつつも、開発の遅れによりその評価を得ることができませんでした。ほとんど実用化されることなく開発が終了したため、今日では技術的な興味の対象であり、第二次世界大戦に関する
航空機の歴史の中での一つの失敗例として位置づけられています。関連項目としては、戦闘機の一覧が挙げられます。