Media Keg

MEDIA keg（メディア・ケグ）

MEDIA kegは、かつてケンウッド（現JVCケンウッド）が展開していたデジタルオーディオプレーヤーのブランドです。HDD（ハードディスクドライブ）型とフラッシュメモリ型の2種類のモデルが存在し、音楽再生に特化した高音質モデルとして知られていました。

歴史

ケンウッドは2001年にポータブルCDプレーヤーでデジタルオーディオプレーヤー市場に参入しましたが、販売は伸びず、事実上撤退しました。その後、2005年にフラッシュメモリ型のプレーヤーで再参入し、この頃から「MEDIA keg」というブランド名が使われるようになりました。

初期のHDDモデルであるHD20GA7は、デジタルアンプを搭載した音質重視モデルで、東芝のgigabeat Fをベースとしていました。楽曲転送時の暗号化技術も東芝の技術をベースに採用されていましたが、後に廃止されました。2015年10月現在、全てのモデルが生産・販売を終了しています。

製品一覧

HDD型

全てのモデルが生産を終了しています。

HD20GA7
2005年6月下旬発売。20GBのHDDを搭載し、世界初のデジタルアンプ内蔵HDDオーディオプレーヤーとして登場しました。2.2インチのカラー液晶を搭載し、ジャケット表示に対応していましたが、動画再生機能はありませんでした。再生ファイル形式はMP3、WMA、WAVです。楽曲転送には専用アプリ「Kenwood Media Application」または「Windows Media Player」を使用しました。ベースモデルであるgigabeat Fに搭載されていたUSBクレードルコネクターは搭載されていませんでした。

HD30GA9
2005年11月下旬発売。HD20GA7をベースに、高音補間技術「Supreme」と可逆圧縮フォーマット「Kenwood Lossless」を初搭載。HDD容量は30GBに増加しました。本体カラーはブラックのみです。

HD30GB9
2006年9月下旬発売。HD30GA9の後継モデルです。転送時の暗号化が不要となり、デジタルアンプがプリ段とパワー段に分離されました。高音補間技術「Supreme」は「Supreme EX」に進化し、より高音域の補間に対応しました。本体カラーはブラックですが、直販サイト限定でホワイトモデルも販売されました。

HD10GB7
2006年12月下旬発売。10GBの小型HDDを搭載し、世界最小のHDDオーディオプレーヤーとして登場しました。1.5インチの有機ELディスプレイを搭載。再生ファイル形式はMP3、WMA、WAVで、JPEG画像表示にも対応。Kenwood Losslessには非対応。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。ノイズ発生の不具合により、2007年2月に回収・交換が行われました。

HD60GD9
2007年10月下旬発売。HD30GB9の後継モデルで、HDD容量が60GBに倍増しました。デジタルアンプの電源供給能力を向上させ、低歪化と高出力化を実現。AAC形式のファイルにも対応。操作ボタンのイルミネーションが白色になり、本体の文字がゴールドに変更されました。本体カラーはブラック。直販サイト限定で、金メッキシャーシを採用した高音質モデル「HD60GD9EC」も発売されました。

フラッシュメモリ型

全てのモデルが生産を終了しています。

M256A3 (256MB) / M512A3 (512MB)
2005年2月下旬発売。シンガポールのクリエイティブテクノロジーが製造を担当。FMラジオチューナー、ボイスレコーダー機能が搭載されました。電源は乾電池を使用し、専用ソフト「Kenwood Media Explorer」が付属していました。

M1GA3 (1GB)
2005年6月中旬発売。M256A3/M512A3の後継モデルで、容量が1GBにアップしました。クリエイティブテクノロジーが製造を担当。

M512B5 (512MB) / M1GB5 (1GB)
2005年12月中旬発売。FMラジオチューナーと録音機能、ダイレクトエンコード機能、ボイスレコーダー機能が搭載されました。電源は乾電池を使用し、クリエイティブテクノロジーが製造を担当。

M1GC7 (1GB) / M2GC7 (2GB)
2006年11月中旬発売。デジタルアンプ、FMラジオチューナー、高音補間技術「Supreme」が搭載されました。乾電池も使用可能で、ステンレス製のパネルとイルミネーション付き操作ボタンが特徴です。専用ソフトは廃止され、エクスプローラでの楽曲転送に対応しました。

M1GD50 (1GB) / M2GD50 (2GB)
2007年10月中旬発売。音楽再生機能に特化したモデル。

M1GD55 (1GB) / M2GD55 (2GB)
2007年10月中旬発売。M1GD50/M2GD50と同時期に発売され、デザインが若干異なります。性能面は共通です。

MG-E502 (2GB) / MG-E504 (4GB)
2008年9月下旬発売。高品位なD/Aコンバーターを搭載し、音質を改善しました。1.5インチカラー液晶を搭載し、ジャケット表示、画像表示、スライドショー再生に対応。microSDカードスロットで容量増設が可能。

MG-F504 (4GB) / MG-F508 (8GB) / MG-F516 (16GB)
2009年12月上旬発売。2.0インチディスプレイを搭載。本体素材がプラスチックからアルミに変更されました。音楽管理ソフトとしてジャストシステム社の「BeatJam」が付属しました。

MG-G508 (8GB)
2011年1月下旬発売。ラインナップは8GBのみとなりました。本体素材が再びプラスチックとなり、デザインも変更されました。連続再生時間は前モデルの約半分に減少しました。

MG-G608 (8GB)
2011年6月上旬発売。Bluetoothを搭載し、ワイヤレスでの音楽再生が可能になりました。「Class-W方式デジタル・ヘッドホン・アンプ」により高音質化を実現。microSD内の音楽ファイルでもレジューム再生が可能になりました。

MG-G708 (8GB)
2011年10月下旬発売。高音補間技術「Supreme」が再び搭載されました。Bluetoothは非搭載です。

ICレコーダー機能付き（リニアPCMレコーダー）

MGR-A7 (2GB)
2008年2月上旬発売。音楽再生機能に加え、簡易的なリニアPCMレコーダーとして利用できるICレコーダー機能が搭載されました。WAVとWMA形式での録音に対応し、「Supreme」を搭載。

MGR-E8 (2GB)
2010年9月中旬発売。本格的なリニアPCMレコーダーに特化したモデル。96kHz/24bitのリニアPCM録音に対応し、三脚穴、ウィンドスクリーンが付属。「Supreme」は非搭載。