BeatJam

BeatJam（ビートジャム）

BeatJamは、ジャストシステムが開発・販売していたメディアプレーヤーソフトウェアです。Windows環境で動作し、音楽CDのリッピングや楽曲ファイルの管理・再生を主な機能としていました。初期の製品は「MP3 BeatJam」として1999年に登場し、その後「MP3 BeatJam X-TREME」へと進化しました。

概要

BeatJamは、いわゆるジュークボックスソフトウェアとして、音楽ファイルの管理と再生を担っていました。しかし、Windows Media PlayerやiTunesなど、競合する無償アプリケーションの登場により、有料ソフトウェアとしての地位は薄れていきました。それでも、BeatJamは最新の音楽配信に対応し、開発と販売は継続されました。また、機能限定版のLE版が無償で配布されたり、既存のユーザー向けに最新版へのアップデートプログラムが提供されるなど、ユーザーへの配慮も見られました。

BeatJamは、その対応デバイスとファイル形式の多様さが特徴でした。WAV、WMA、MP3、ATRAC、AACといった幅広い形式に対応しており、特にATRAC形式への対応は、他のソフトウェアにはない強みでした。ただし、AACへの変換は非対応であり、DRM付きAACファイルの再生もできませんでした。

2007年には、「BeatJam 2007 /R.3」がリリースされ、音楽配信サービス「mora win」に対応しました。これにより、OpenMGとWindows Media DRMの両方に対応する唯一のジュークボックスソフトとなりました。ソニーのSonicStageがファイル変換機能を削除したため、ATRAC形式への変換はBeatJamの重要な機能となりました。

多様なプレイヤー

BeatJamには、RoomStylePlayerやMiniPlayerといった多様なプレイヤーが用意されていました。RoomStylePlayerは、モーショングラフィックと共に音楽を楽しめる全画面表示に対応し、リモコン操作も可能でした。また、DLNA関連のユーティリティソフトとしての側面も持ち、BeatJamをインストールしたパソコンをDLNAサーバーとして利用することができました。ATRACに対応したDLNAサーバーソフトは、単独で販売されているものではBeatJamのみでした。

Music@Lifeサービス終了とその後

2011年、「Music@Life」サービスの終了に伴い、BeatJamの機能にも変更がありました。公式サイトで「BeatJam 2011」の提供が告知され、既存ユーザー向けに無償アップデートモジュールが公開されました。これにより、サービス終了に伴う関連機能の廃止、WAV形式の楽曲結合機能の追加などが適用されました。また、MD機器や携帯電話添付版のサポートも順次終了しました。

2012年には、バックアップできない著作権保護された曲の確認機能や、M3Uプレイリストファイルからの曲追加機能が追加されました。しかし、同時に「BeatJam 2006/2007」のカーナビゲーション添付版やPCプリインストール版のサポートも終了し、「OpenMG」関連プログラムやサービスも一部終了しました。

2013年には、moraで購入したAAC形式ファイルの文字化けを解消する更新版が公開されました。

現在の状況

BeatJamは現在、直営のECサイト「Just MyShop」からのダウンロード購入はできず、「Music@Life」上で公開されていたLE版の無料ダウンロードもできません。しかし、ジャストシステムは、BeatJamの技術をカーナビゲーションやスマートフォンに応用・特化させ、開発を続けています。

対応ファイル形式

再生可能な音声ファイル形式：aac, mp3, wav, wma, oma

関連項目

メディアプレーヤー
mora / mora win - 音楽配信サイト
SonicStage - ウォークマンへの楽曲転送ソフト
x-アプリ - SonicStageの後継ソフト
PLAYLOG - バージョン2007/R.3より再生履歴のアップロードに対応
カロッツェリア (AV機器) - サイバーナビの音楽データ転送に利用

外部リンク

Music@Life（公式サイト）
BeatJam サポートページ

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