Micro-DVI

Micro-DVI端子は、Apple社がMacBook Airのために開発した、主にパソコン本体側に搭載される映像信号出力インターフェースです。この端子は、DVI-I（Digital Visual Interface Integrated）相当の信号をベースとしており、デジタルとアナログの両方の映像信号、さらにはモニターとの間で情報をやり取りするための通信線であるDDC（Display Data Channel）を含んでいます。

Micro-DVI端子の最大の特徴は、変換ケーブルを介して、多様な映像出力に対応できる点です。信号自体を変換するのではなく、コネクタの形状を変更するだけで、シングルリンクDVI相当のDVI-Dデジタル出力信号や、アナログRGBのSVGA映像信号出力を得ることが可能です。これにより、様々な種類のディスプレイ機器との接続を容易に実現しています。

さらに、Apple社はMicro-DVI端子から、NTSC方式のテレビにおけるコンポジット映像出力やSビデオ出力を可能にするアダプタも提供していました。これらのアダプタを使用することで、古いテレビやビデオ機器への接続も可能になり、汎用性を高めることができました。

Apple社は、Micro-DVI以前にも、Mini-VGAやMini-DVIなど、物理的なスペースを節約できる小型の端子を開発していました。これらの端子は、小型化が進むノートパソコンの設計において重要な役割を果たしました。Micro-DVIは、これらの流れを汲み、さらに小型化を追求した結果として2008年に登場しました。

しかし、技術の進歩と高解像度化が進むにつれて、より高度な映像出力規格が求められるようになりました。Apple社は、次世代のモニター出力ポートとして、VESA（Video Electronics Standards Association）が策定したDisplayPortの拡張仕様に、同社が提案したMini DisplayPort規格を2009年に採用しました。

Mini DisplayPortは、より高い解像度やリフレッシュレートをサポートし、現代のディスプレイ技術に適応した規格です。Micro-DVIは、Apple製品において、その登場からMini DisplayPortへの移行までの短い期間に、様々なディスプレイとの接続を実現する重要な役割を果たしました。

Micro-DVIは、小型でありながら多様な映像出力に対応する柔軟性を持つ、Apple社の技術力を示す一例と言えるでしょう。Mini DisplayPortの登場によりその役目を終えましたが、過去の製品で利用された技術として、その存在は記憶されるべきでしょう。

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