Microsoft ActiveSync

Microsoft ActiveSync

Microsoft ActiveSyncは、Microsoftが開発した、Windows MobileやWindows CEを搭載した携帯情報端末（PDA）とWindows搭載のパソコンとの間でデータを同期させ、ソフトウェアのインストールを行うためのソフトウェアです。このソフトウェアは、PCにインストールする必要がある一方で、対象となるPDAには通常、プリインストールされています。ActiveSyncのパソコン版は無償で提供され、特にMicrosoft Outlookなどの個人情報管理（PIM）ソフトウェアとの連携が特長です。

デスクトップアプリケーションとの同期機能

ActiveSyncは、個人情報管理データの同期を提供します。これには、電子メールの受信トレイ、タスクリスト、予定表、連絡先、メモが含まれ、さらにInternet Explorerのお気に入りやMicrosoft Accessのデータファイル、特定のフォルダ内のファイルの同期も行うことができます。ただし、特定のWindows CEのバージョンではこれらの機能の一部がサポートされていない場合もあります。

PIMデータの同期を行う場合、Microsoft OutlookやExchangeが主な対象となりますが、Outlook Expressとの連携はできない点に注意が必要です。さらに、他社製のPIMソフトウェアとの同期が必要な場合は、サードパーティ製のソフトウェアを追加することで実現可能です。

接続方法とパートナーシップ

ActiveSyncでは、USB、シリアルポート、赤外線（IrDA）、ネットワーク接続を用いた接続がサポートされています。接続を行うには、まずPDAをActiveSyncに登録し、パートナーシップを形成する必要があります。これにより、個人情報データの同期が可能となります。パートナーシップは、一度にPDA側から最大2台のパソコンと接続することができますが、逆にパソコン側からは多くのPDAと接続可能です。

また、パートナーシップを作成せずに接続を行う「ゲスト」接続も選択できますが、PIMデータの同期は行えません。赤外線接続の場合、高速接続に問題が生じることもあるため、速度設定を変更するか、適切な接続方法を選ぶ必要があります。

バージョン履歴と過去のソフトウェア

ActiveSyncの最終バージョンは4.5で、Windows CEやWindows Mobileの進化と共にこのソフトウェアも適宜バージョンアップが行われてきました。バージョン3.0以降、メジャーリリースとしての区分けがされ、以前のバージョンはWindows CE Servicesと呼ばれていました。新しいバージョンが出るたびに旧バージョンは利用できなくなり、特に注意が必要です。そのため、リリースノートを参照して、必要なバージョンを確認することが重要です。

Windows Mobileデバイスセンター

2007年には、ActiveSyncの後継となるWindows Mobileデバイスセンターが登場しました。この新しいソフトウェアは、Windows VistaやWindows 7に対応し、Windows MobileやWindows Phoneデバイスとの接続を提供します。Windows Mobileベースの端末との接続において、ActiveSync以上の機能を提供するものとなっています。

ネットワークホストとしての機能

ActiveSyncは、特定のデバイスをWANに接続するためのゲートウェイとしても機能します。親となるPCのIP接続経由で、USBなどのシリアル接続を通じて実現されます。この機能は、PCの接続を通じてインターネット接続を可能にするものですが、一般的にはUSB接続が主流です。これにより、さまざまなデバイスとの連携が可能となり、より便利な操作を提供します。

Microsoft ActiveSyncは、PDAおよびPC間でのシームレスなデータ管理を実現する重要なソフトウェアであり、一時代の情報管理手法を支えてきた存在です。

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