Midnight Commander

GNU Midnight Commander（mc）は、1994年にミゲル・デ・イカザによって開発された、オープンソースのクロスプラットフォーム対応ファイルマネージャです。Norton Commanderのクローンとして知られ、その操作性を受け継ぎつつ、現代的な機能も取り入れています。現在も活発な開発コミュニティによって進化を続けています。

概要

Midnight Commanderは、テキストユーザーインターフェース（TUI）を備えたコンソールアプリケーションです。主なインターフェースは、ファイルシステムを視覚的に表示する2つのパネルで構成されています。Unixシェルで動作する他のプログラムと同様に、キーボード操作でファイルやディレクトリを選択し、ファンクションキーを使って様々な操作を実行します。初期バージョンから矢印キーでのファイル選択、Insertキーでのファイル指定が利用でき、後にはマウス操作も可能になりました。X端末環境では、操作に応じてウィンドウ名が変化する機能もあります（端末エミュレータが対応している場合）。

Midnight Commanderは、単なるファイル管理ツール以上の機能を提供します。例えば、RPMパッケージファイルの中身を閲覧したり、主要なアーカイブファイル形式をディレクトリのように扱ったりできます。また、FTPやFISHのクライアントとしても機能し、ネットワーク経由でのファイル操作も可能です。さらに、内蔵エディタであるmceditは、シンタックスハイライトやバイナリ編集機能を備えており、簡単なテキスト編集にも対応します。もちろん、ユーザーが好みの外部エディタを起動するように設定することも可能です。

特筆すべき機能として、Midnight Commanderは複数ファイルの同時リネームが挙げられます。これは、通常ファイルマネージャでは1つずつしか行えないファイル名変更を、一度に多数のファイルに対して実行できる便利な機能です。ワイルドカードやUnixの正規表現を利用して、複雑な命名規則に従ったファイル名変更も効率的に行えます。大量のファイルを扱う際に、その威力を発揮します。

Midnight Commanderは、多くのLinuxディストリビューションに標準で含まれており、GNU General Public Licenseに基づいて配布されています。

Unicodeサポート

2009年以降、開発版ではUnicodeサポートが実装され、多言語環境でのファイル操作がより快適になりました。

脚注・出典

この文章は、Midnight Commanderの公式サイトや関連資料を参考に作成されました。

外部リンク

GNU Midnight Commander 公式サイト
GNU Midnight Commander MP – mc 4.1.x からのフォーク
The Midnight Commander for WIN 32 – Microsoft Windows 向け
mc.redhat-club.org - ロシア人によるフォーク。多数の改良点がある。

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