Mk 33 3インチ砲

Mk.33 3インチ連装速射砲について

Mk.33 3インチ連装速射砲は、アメリカ海軍の艦砲システムとして位置付けられ、また日本製鋼所によってライセンス生産されたモデルは、海上自衛隊で68式50口径3インチ連装速射砲として採用されています。この艦砲は対空兵器として第二次世界大戦後に発展しました。

来歴

第二次世界大戦中、アメリカ海軍は艦艇に搭載する対空兵器を種類ごとに統一し、遠距離用の砲や中・近距離用の機銃などを導入していました。しかし、日本軍による激しい航空攻撃に対して、これらの防空システムは必ずしも効果的ではありませんでした。特に、特攻攻撃やロケット特攻機に対しては、防空の強化が急務でした。このため、近接信管を採用できる中口径速射砲の開発が始まり、1944年末からノーザン・ポンプ社がその開発に着手しました。1945年9月に原型が完成しましたが、実戦には間に合わず、1948年に正式に制式化され、艦艇の防空手段として広く使用されることになりました。

最初はMk.27が採用され、その後に改良型のMk.33が普及しました。同様に、単装型のMk.34も開発されています。

設計

Mk.33砲は、新型のMk.22砲と連装砲架を組み合わせています。Mk.22砲は、先代のMk.21砲と同じく50口径76mm砲ですが、自動装填装置の導入により発射速度の向上が図られています。砲身の命数は2,050発となっています。

この砲は垂直鎖栓式尾栓を採用しており、尾栓機構の後部と両側に自動装填機構が設置されています。給弾手は左右に二名ずつ配置されており、砲架後部の回転式弾倉から弾薬を取り出し、自動装填機構に供給します。給弾は人力で行われるため、砲自体は半自動式となります。理論上の最大発射速度は毎分45発ですが、実際には給弾手の技量に依存する部分が大きいです。

Mk.33の運用には、11名の砲員が必要で、その内訳は砲台長1名、操縦手2名、装填手4名、給弾手4名です。照準射撃を行う場合はさらに照準手が1名必要です。給弾手は甲板上で弾薬を準備し、回転式弾倉に装填します。使用される砲弾は完全弾薬筒方式で、重さは約11キログラムです。

砲架の旋回や俯仰にはアンプリダインを採用し、防盾が設けられることが多いです。これは、風浪から砲と砲員を保護するための工夫です。海上自衛隊では、後部開放式と全周密閉式の2種類の防盾が使用されています。

採用艦艇

Mk.33はアメリカ海軍だけでなく、海上自衛隊でも68式50口径3インチ連装速射砲として運用されています。また、改良型であるMk.34も存在し、これらの艦砲はそれぞれ異なる艦艇に搭載され、極めて重要な防空任務を担っています。

このように、Mk.33 3インチ連装速射砲は、高い発射速度と堅実な設計によって、艦艇の防空戦力としての役割を果たし続けているのです。

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