Mk.74 ミサイル射撃指揮装置

Mk.74 ミサイル射撃指揮装置の概要

Mk.74 ミサイル射撃指揮装置（Mark 74 Guided Missile Fire Control System, 略称Mk.74 GMFCS）は、アメリカ海軍が導入しているミサイル指揮用のシステムです。この装置はターター・システムの中心をなすものであり、主に艦隊防空ミサイルであるRIM-24 ターターとRIM-66 スタンダードMRの標的追尾および射撃指揮に利用されます。Mk.74は、Mk.73方位盤、コンピュータ、およびAN/SPG-51射撃指揮レーダーなど、複数の要素で構成されており、これによって高精度なミサイル攻撃が可能になっています。

歴史的背景

Mk.74 GMFCSは、1950年代から1990年代にかけて米海軍で長期間使用されており、その信頼性と性能が高く評価されています。数多くの国へ輸出もされ、グローバルに展開される運用が行われています。この装置は、さまざまな派生型が存在し、各国のニーズに応じたバリエーションが開発されています。

派生型の種類

Mk.74 GMFCSには、多様な派生型が存在します。以下にいくつかの主要な型を紹介します。

mod.4, 5

これらの型はターター-D・システム向けに開発されたもので、AN/SPG-51Dレーダーを搭載しています。

mod.6

チャールズ・F・アダムズ級の艦に向けたデジタル化されたアップグレード版で、AN/SPG-51CレーダーとMk.152コンピュータを採用しています。また、スペイン海軍のバレアレス級フリゲートにも使用されています。

mod.8

mod.6を基にしながら、新たにWDS Mk.13やJPTDSとの連接が可能な改良型です。このため、コンピュータもMk.152 mod.1に更新されています。アダムズ級の数隻やオーストラリア海軍のパース級に搭載されています。

mod.11

ターター-D・システムに対応する型で、AN/SPG-51DレーダーとMk.152コンピュータを装備したものです。改修されたアダムズ級やイタリアのデ・ラ・ペンネ級駆逐艦に見られます。

mod.13

mod.8の派生型で、WDS Mk.13との連接を考慮して設計されています。レーダーはAN/SPG-51Cのままですが、改良されたLLLTV Mk.5カメラを装備しています。

mod.15

NTU改修艦用に設計され、AN/SPG-51Dレーダーを搭載。追加されたCWAT機能により、より迅速なターゲット取得と追尾が可能です。カリフォルニア級やバージニア級ミサイル巡洋艦に搭載されています。

AN/SPG-51 レーダー

Mk.74で使用されるAN/SPG-51レーダーは、1943年から陸軍で使用されていたSCR-584を基土にしたSバンドの追尾レーダーです。このレーダーは1952年から開発が始まり、様々なバリエーションがあります。特に、AN/SPG-51D型は追尾性能を改善し、周波数を迅速に変更する機能を持っています。

搭載艦

Mk.74 GMFCSは基本的に一隻に二基を搭載する形式ですが、一部の艦艇、例えばオールバニ級やカリフォルニア級では四基を持つこともあります。逆に、小型の駆逐艦やフリゲート艦では一基の搭載で済まされています。

まとめ

Mk.74 ミサイル射撃指揮装置は、米海軍およびさまざまな国々の軍艦において非常に重要な役割を果たしています。独自の技術と多様な派生型を通じて、Mk.74はその運用を進化させ続け、現代の海上戦闘において欠かせないシステムであり続けています。

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