デ・ラ・ペンネ級駆逐艦

デ・ラ・ペンネ級駆逐艦について

デ・ラ・ペンネ級駆逐艦（Cacciatorpediniere classe de la penne）は、イタリア海軍が運用するミサイル駆逐艦の艦級です。この艦級は、第二次世界大戦後のイタリア海軍の艦艇整備の流れの中で設計され、より現代的な戦闘能力を持つことを目的としていました。

来歴

第二次世界大戦終了後のイタリア海軍は、1950年から1951年にかけてインペトゥオーソ級駆逐艦を建造し、国産の駆逐艦建造を再開しました。その後、インペトゥオーソ級を基にしたインパヴィド級など次々と新しい駆逐艦が建造されましたが、予算制約のため、旧式艦の退役が進み、艦艇確保が難航する状況が続いていました。1975年には、海軍法が成立し、10年間の計画が承認され、新艦建造に必要な予算が確保されることになりました。この計画の中で、インパヴィド級に代わる「スーパー・アウダーチェ級」の建造が提案され、これがデ・ラ・ペンネ級の始まりとなりました。

設計

デ・ラ・ペンネ級は、アウダーチェ級に似た平甲板型のデザインを持ち、フォークランド紛争の教訓から耐久性を重視して設計されました。上部構造物や船体には高張力鋼が使用され、重要な区画にはケブラー系の装甲も施されています。また、ダメージコントロールや消火能力の向上が図られており、さらにレーダーや赤外線の低減、ステルス性の向上も考慮されています。

搭載されている主機関はCODOG方式で、巡航用のディーゼルエンジンと高速用のガスタービンエンジンを組み合わせて効率的な航行を実現しています。特に、ガスタービンエンジンの出力は、当初のものよりも強化されています。さらに減揺装置としてフィンスタビライザーが搭載され、航行中の安定性を向上させています。

装備

デ・ラ・ペンネ級には、高度なC4ISRシステムが搭載され、戦術情報処理装置のSADOC-2により、情報処理能力が強化されています。レーダーシステムには、アメリカ製のAN/SPS-52C 3次元レーダーや早期警戒用と目標捕捉用のMM/SPSレーダーが含まれており、情報収集と防空システムが確立されています。

防空能力の基幹はターター-Dシステムで、近接防空用にはダルド-E武器管制システムを搭載。これにより、アルバトロスミサイルや127mm、76mmの砲を連携させ、艦艇の守りを固めています。また、テセオMk.2艦対艦ミサイルやミラス対潜ミサイルも搭載可能です。

ヘリコプターの運用が考慮され、格納庫には2機のヘリコプターを収容可能であり、甲板には着艦拘束装置も設置されています。イタリア海軍の通常の艦載機はアグスタ-ベル 212ASW哨戒ヘリコプターですが、より大型のヘリコプターにも対応できる設計です。

同型艦

当初の艦名は「アニモーソ」と「アルディメントーソ」でしたが、進水後にはそれぞれ「ルイージ・ドゥランド・デ・ラ・ペンネ」と「フランチェスコ・ミンベッリ」に改名され、1993年に就役しました。これらの駆逐艦は、イタリア海軍の誇るべき艦艇として活動を続けています。

まとめ

デ・ラ・ペンネ級駆逐艦は、イタリア海軍の要として捉えられ、最新の戦闘技術を搭載していることから、今後もその重要性は続くでしょう。兵器性能の向上とともに艦艇全般の近代化も進められていることで、海での戦闘能力においても優れた役割を果たすことが期待されています。

もう一度検索