Mk14 EBR

Mk 14 Enhanced Battle Rifle（EBR）

Mk 14 Enhanced Battle Rifle（EBR）は、アメリカ合衆国で開発された自動小銃（マークスマン・ライフル）であり、7.62x51mm NATO弾を使用します。この銃は当初、歩兵銃として使用されていたM14小銃を基にしており、アメリカ特殊作戦軍に配属される特殊部隊、特にNavy SEALsやデルタフォース、グリーンベレーなどに向けて設計されています。

歴史

2000年、Navy SEALsからの要請を受けて、よりコンパクトなM14小銃の開発が始まりました。翌年、特殊作戦軍（SOCOM）は新しい銃の開発を進めるため、マイク・ロック・ライフル・バレルズ社の協力を得て、新型小銃の設計を検討しました。特に折畳式銃床や伸縮式レールを持つアルミニウム製のボディが特徴です。しかしこのモデルは、試験中に高音質のノイズが問題視されました。

2003年にはロン・スミスと彼の会社であるスミス・エンタープライズが、M14 EBR（MK14 SEI）を独自に開発しました。このモデルは、18インチ（約457mm）の銃身を持ち、高く評価されることになります。このスミス・エンタープライズ版を基に、最終的にMk 14 Mod 0が設計され、スプリングフィールド・アーモリー社がその製造を担当しました。

2004年、Navy SEALsが最初にMk 14 EBRを受け取ると、その後すぐに沿岸警備隊が続きました。一方、陸軍では改良されたM14 EBR-RIが運用され、2010年代中期からはおよそ5,000丁が実際の戦闘に投入されました。海兵隊においてはEBRの採用が考慮されましたが、最終的にはM39 EMRを開発することを選択しました。

2017年には、陸軍が小隊や分隊用のマークスマン・ライフルに関する新たな要件を策定し、最終的に2018年にはドイツ製のH&K G28を標準的なマークスマン・ライフルとして採用しました。

設計

Mk14 EBRはM14小銃の改良型で、動作機構がアップグレードされ、銃身は標準の22インチから18インチに短縮されました。また、スマートなシャーシストックが装着され、ピストルグリップやピカティニーレールが取り入れられています。これらの設計は、銃のクワイエット性を確保するために重要な役割を果たしています。

この銃は、さまざまな用途に対応するため、取付可能な照準器もいくつか用意されており、AN/PVS-4暗視照準器などの構成が存在します。

派生型

Mk 14 Mod 0

Mk 14 Mod 0は2013年に実戦配備され、改良された銃床とハンドガードを有しており、オペレーティングロッドが重新設計されています。耐腐食性を高めるための特殊な処理が施され、アメリカ海軍や海兵隊での運用を想定しています。

M39 EMR

M39 EMRは、アメリカ海兵隊からの要望に基づき開発され、多用途な半自動小銃です。既存のM14 DMRを更新するために、2008年から配備が開始されました。

使用者

Mk 14 EBRは、アメリカをはじめとする数カ国の特殊部隊で採用されており、特にイラクやアフガニスタンでの実戦において広く使用されました。その他にも、オーストラリアの特殊空挺部隊やイラク特殊作戦部隊などもこの武器を使用しています。国際的には自由シリア軍やISILといった組織でもこの銃が見られます。

結論

Mk 14 EBRは、戦術的な要件を満たすべく設計された高性能のマークスマン・ライフルであり、特殊部隊の任務において重要な役割を果たしています。今後もその使用可能性は継続され、時代のニーズに応じた改良が加えられるでしょう。

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