MobilePay

MobilePay（モバイルペイ）とは

MobilePayは、デンマークのダンスケ銀行が開発したモバイル決済サービスです。非接触型決済を可能にし、デンマークにおけるキャッシュレス社会の進展に大きく貢献しました。個人間の送金や、対応店舗での支払いに利用できます。

特徴

多様な支払い方法: Bluetooth Low Energyを利用した店舗端末での決済に加え、Bluetoothが使用できない環境ではQRコードや番号を利用した支払いも可能です。
バッテリー駆動の店舗端末: 店舗側の端末はバッテリー駆動で数年間の交換が不要なため、導入・運用コストを抑えられます。
高い普及率: 2017年3月時点で、デンマーク国内のスマートフォン約340万台にアプリがダウンロードされ、4万店舗以上がMobilePayでの決済に対応しています。
圧倒的な利用率: デンマーク国立銀行の発表によると、2016年にはデンマーク国内における店舗支払い（オンライン決済を除く）の75%以上がMobilePayを通じて行われました。
年間決済回数: ダンスケ銀行の発表では、MobilePayによる年間決済回数は1.8億回に達しています。

経緯

MobilePayは、2013年5月6日にスマートフォンアプリとしてサービスを開始しました。初日だけで2万5千人がアプリをダウンロードし、4ヶ月でユーザー数は50万人に達しました。
当初はダンスケ銀行の口座保有者のみが利用可能でしたが、その後、利用範囲が拡大しました。

2014年2月: ビジネス向けの「MobilePay Business」が公開され、会計報告用のデータ出力や自社ロゴのレシート印刷が可能になりました。
2014年7月: オンラインショッピングでの決済に対応し、個人利用や実店舗での決済に設けられていた1日の決済金額上限がオンラインショッピングでは撤廃されました。
2015年3月: 大手スーパーマーケットチェーンのダンスク・スーパーマーケッドがMobilePayを導入し、スーパーマーケット業界での導入事例の先駆けとなりました。
2015年8月: デンマーク国鉄のチケット購入にもMobilePayが利用できるようになりました。また、Apple WatchでのMobilePay利用も開始されました。
2016年5月: Apple Watchでの利用開始をきっかけに、ユーザー数が300万人を突破しました。
2016年6月: MobilePayを利用した領収書支払いサービスが開始されました。
2016年9月: 店舗決済端末大手のベリフォンとBamboraとの提携により、北欧全域でのMobilePay導入が加速しました。
2016年10月: スウェーデンのノルデア銀行がMobilePayへの参加を表明しました。
2017年3月: オンライン決済時にNemIDやカード情報の入力を不要にする「MobilePay Subscription」が提供開始されました。

セキュリティ

MobilePayの登録には、デンマーク国内で発行されたクレジットカードまたはデビットカードと電話番号が必要です。ユーザーアカウントはCPR番号（デンマークの個人識別番号）と紐付けられ、不正利用を防止する仕組みが採用されています。また、利用時には毎回4桁の暗証番号の入力が求められます。

高いセキュリティレベル: 2016年4月時点でハッキング被害は0件であり、2017年5月時点では詐欺被害が発生していましたが、クレジットカードによる詐欺被害の6分の1程度に抑えられています。

関連項目

Dankort: デンマークのデビットカードシステム。
Designit: デンマークのデザインファーム。MobilePayアプリのデザインを担当しました。

外部リンク

公式ウェブサイト

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