Segoe

Segoe（シーゴー）について

Segoe（シーゴー）は、マイクロソフト社が開発し、同社の製品で幅広く使用されている書体です。Segoeは、オンライン媒体や印刷物、製品ロゴなど、さまざまな場面で利用されています。特に、Windows VistaやMicrosoft Office 2007以降の製品に採用され、マイクロソフトのブランドイメージを形成する上で重要な役割を果たしています。

Segoe UIとその特徴

Segoeの派生フォント群であるSegoe UIは、マイクロソフト製品のユーザーインターフェース（UI）でよく見られます。Windows VistaやWindows 7ではデフォルトのシステムフォントとして採用され、Microsoft Officeなどのアプリケーションでも利用されています。2013年からは、Outlook.comのUIにも採用されています。

SegoeおよびSegoe UIは、ラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字、アラビア文字に対応していますが、日本語や中国語などの文字は含まれていません。日本語版Windowsでは、メイリオがデフォルトのシステムフォントとして使用されています。

Segoeは元々、モノタイプ・イメージング社によって開発されましたが、現在はマイクロソフトが商標を保有しています。Segoe UIは、ClearType技術に最適化されており、画面上での視認性が向上しています。Windows Vista以降では、標準フォントサイズが9ポイントに設定されています。

歴史とライセンス論争

Segoeは、Monotype社に在籍していたSteve Matteson氏によってデザインされました。マイクロソフトは、Segoeをユーザーインターフェース用フォントとしてライセンス契約を結び、読みやすく温かみのあるデザインが特徴です。

2004年、マイクロソフトはSegoeの特定のフォントとそのイタリック体をEUで商標登録しようとしましたが、Linotype社が、Segoe UIが同社開発のFrutigerに酷似していると抗議しました。EUはマイクロソフトの申請を却下し、マイクロソフトは控訴しませんでした。しかし、マイクロソフトは現在もアメリカでSegoeの意匠特許を保有しています。この論争は、フォントデザインの権利に関する複雑な問題を浮き彫りにしました。

2006年には、Monotype ImagingがLinotypeを買収し、当初Segoeをマイクロソフトに許諾したMonotypeの全額出資子会社になったという経緯もあります。

Segoe UIとFrutigerの違い

Segoe UIとFrutigerには、いくつかの文字の形状に違いが見られます。特に、低解像度のスクリーンでは、Segoe UIがFrutigerよりも見やすく設計されています。ただし、初期のSegoe UIはFrutigerに酷似していたという指摘もあります。マイクロソフトは、SegoeとFrutigerは異なる書体であると主張しており、Segoeのフォント群はFrutigerの代替として使用できるような互換性はないとしています。

アメリカ合衆国の著作権法では、フォントの抽象的な形状は保護されず、フォントに含まれるプログラミングコードのみが保護されます。そのため、クローンフォントの作成と配布が可能です。

Segoeの種類

Segoeファミリーには、さまざまな種類があります。以下に主なものを紹介します。

Segoe UI
UI用フォント。ClearTypeに最適化。
Windows Vista以降に導入。
Segoe UI Light、Segoe UI Semibold、Segoe UI Semilightなどがある。

Segoe UI Mono
等幅フォント。ラテン、ギリシャ、キリル、ヘブライ、タイ文字などをサポート。

Segoe UI Symbol
チェスの駒、カードのスート、数学記号などを含む記号フォント。

Segoe UI Variable
Segoe UIの可変フォント。

Segoe Print
手書き風フォント。イタリック体はなし。

Segoe Script
筆記体風フォント。イタリック体はなし。

Segoe Chess
チェスフォント。Microsoft Officeに付属。

Segoe Media Center
Windows Media Centerで使用されるフォント。

Segoe TV
MSN TVで使用されるフォント。

Segoe News Symbol
天気予報や星座などの記号を含むフォント。

Segoe WP
Windows Phone 7で使用されるフォント。

Zegoe UI
Zuneで使用されるSegoeに類似したフォント。

他のフォント群

Segoeのラテン文字グリフは、以下のマイクロソフト製フォントにも見られます。

マルグンゴシック（韓国語）
微軟正黑體（繁体字）
微軟雅黒（簡体字）
Gisha（ヘブライ文字）
* Leelawadee（タイ文字）

これらのフォントでは、一部のグリフの形状がSegoe UIやFrutiger/Myriadモデルから変更されており、手書き文字に近くなっています。

使用状況

Segoeファミリーは、Windows XP Media Center Edition 2005や、Microsoft Word Viewer、Microsoft PowerPoint Viewerにも含まれています。初期のSegoeは、SuSE Linuxの一部にも含まれていました。また、電飾看板企業のScalaが、初期にSegoeのライセンスを取得しましたが、後に別のフォントに切り替えました。

マイクロソフトは、SegoeのTrueTypeとPostScript Type 1 betaバージョンを含むパッケージを配布していました。

Segoeは、マイクロソフト製品だけでなく、さまざまな場所で利用されている、影響力のある書体です。

もう一度検索