Musepack

Musepack（ミューズパック）は、オープンソースで開発が進められている音声圧縮フォーマットです。元々はMPEGPlus、またはMP+という名称で知られていました。このフォーマットは、可変ビットレート（VBR）に特化しており、非可逆圧縮方式を採用しています。

Musepackは、MPEG-1 Layer-IIをベースとしていますが、独自の改良が加えられ、その結果、MP3と比較してより高い音質を実現していると評価されています。そのため、多くのフリーソフトウェアで採用されています。

開発当初、MPEG技術を基盤としているため、特許に関する懸念が存在しました。しかし、Stream Version 7以降では、特許に抵触する可能性のあるコードが書き直され、特許侵害のリスクが軽減されたと開発者によって説明されています。ただし、開発者自身も、特許に関する懸念が完全に解消されたわけではないと認めています。

Musepackは、FFT（高速フーリエ変換）などの処理においてSIMD（Single Instruction Multiple Data）を活用した最適化が施されています。これにより、以前は音質と処理速度のバランスに優れたフォーマットとして期待されていました。しかし、開発の停滞中に他のフォーマットが大幅に高音質化、高速化を進めたため、その優位性は薄れ、利用者は減少傾向にありました。

しかし、2009年3月には、Matroskaコンテナフォーマットにも対応したStream Version 8がリリースされ、再び注目を集めるようになりました。このリリースにより、Musepackは、より幅広い環境での利用が可能になり、今後の発展が期待されています。

技術的な特徴

可変ビットレート (VBR): Musepackは、音声データの複雑さに応じてビットレートを動的に変化させるVBRを採用しており、効率的な圧縮が可能です。
非可逆圧縮: オリジナルの音声データから一部の情報を削除することで、ファイルサイズを小さくします。しかし、この圧縮によって不可逆なデータ損失が発生します。
SIMD最適化: FFTなどの処理にSIMD命令を使用することにより、処理速度の高速化を実現しています。

関連情報

オープンソースのコーデックとコンテナフォーマット一覧: Musepackはオープンソースのコーデックであり、この一覧にはその他のオープンソースコーデックも含まれています。

外部リンク

* 公式サイト（英語）（実際のリンクは公式サイトに置き換えてください）

もう一度検索