N701iECO

FOMA N701iECO：環境に配慮した革新的な携帯電話

NECが開発したFOMA N701iECOは、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話です。N701iをベースに、環境への配慮を前面に押し出したモデルとして注目を集めました。その最大の特徴は、外装に植物由来の生分解性プラスチックを採用している点です。

環境への取り組み

N701iECOは、外観や機能はN701iとほぼ同じですが、素材に大きな違いがあります。植物由来の生分解性プラスチックを使用することで、製造過程における二酸化炭素排出量を従来のABS樹脂使用時と比較して半分に削減することに成功しました。

この生分解性プラスチックは、ユニチカが開発した「テラマック」をベースに、NECが独自に改良を加えたものです。高温多湿条件下での耐久性を高めるため、ケナフ繊維を配合。その結果、「ケナフ繊維強化バイオプラスチック」という、環境負荷の少ない、それでいて高耐久な素材が実現しました。

環境への配慮は素材だけではありません。待受画面やメニュー画面には植物をモチーフにしたイラストや写真、アイコンを採用し、視覚的にも環境への意識の高さをアピールしています。ピンク×シルバーの1色展開で、植物の葉をデザインした「リーフ」というスタイルパネルが同梱されていました。

本体表面には微細な糸くずのようなものが見えますが、これはケナフ繊維の名残です。N701iECOは、環境問題に関心の高いユーザー、特に女性をターゲットにした、コンセプトモデルとしての側面が強いと言えるでしょう。

製品仕様と特徴

N701iECOは、N701iとほぼ同じ機能を備えています。ただし、N701iのスタイルプラスはN701iECOには装着できません。重量はN701iが112グラムなのに対し、N701iECOは115グラムと3グラム重くなっています。これは、生分解性プラスチックの特性によるものです。

開発と発売

NTTドコモは以前から植物性素材を用いた携帯電話の開発を推進しており、2005年6月9日にはFOMA N900iSをベースにした試作機を発表しました。そして、2005年12月12日、植物由来プラスチックをほぼ全面的に採用した最初の製品としてN701iECOが発表されました。2006年3月10日に発売開始されています。

環境保護への貢献

NTTドコモは、N701iECOの発売に合わせ、「エコケータイで地球を守ろう」キャンペーンを2006年12月まで実施しました。このキャンペーンでは、N701iECOユーザーの利用料金の1%が環境保護活動の資金に充てられました。

まとめ

N701iECOは、単なる携帯電話ではなく、環境問題への意識の高まりを反映した、時代の先端を行く製品でした。植物由来の素材を用いたことで、製造過程での環境負荷を低減し、ユーザーにも環境への配慮を促すという、革新的な試みと言えるでしょう。この製品は、携帯電話業界における環境配慮の取り組みの大きな一歩となりました。

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