N900i

NEC N900i：コンパクトさと機能性を両立したFOMA端末

NECが開発し、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話(FOMA)端末、N900i。その魅力は、コンパクトなボディに凝縮された先進的な機能と、斬新なデザインにあります。

洗練されたデザインと優れた操作性

N900iは、同時期に発表された他のFOMA 900iシリーズ端末と比較しても最も小型の折りたたみ式携帯電話でした。特徴的なのは、端末を開いた状態の側面が滑らかな曲線を描いている点です。このデザインは「アークライン」と名付けられ、後の機種にも受け継がれることになります。オレンジ、シルバー、ブラックの3色のカラーバリエーションも魅力的でした。

メインディスプレイには2.2インチQVGAのTFT液晶を採用。鮮明な表示で快適な操作性を実現しています。また、カーソル操作に改良が加えられた「ニューロポインター」を採用することで、直感的な操作が可能です。文字入力にはT9方式を採用し、効率的な文字入力をサポートしていました。

高性能カメラと充実の機能

背面には、有効画素数100万画素ながら、スーパーCCDハニカム技術により200万画素相当の解像度を実現したCCDデジタルカメラを搭載。マクロ撮影にも対応し、レンズ周りのスイッチを切り替えることで簡単に接写が可能です。さらに、0.96インチのサブディスプレイを活用することで、自分撮り時のプレビュー表示も可能です。

赤外線通信ポートも搭載されているため、他の機器とのデータ交換も容易に行えます。iアプリ容量も最大500KBに拡張され、様々なアプリケーションを楽しむことができました。当時人気を博したロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』がプリインストールされていた点も大きな特徴です。

発売から派生モデル、そして不具合への対応

N900iは2004年2月22日に発売されました。その後、マイナーチェンジモデルであるN900iS、無線LAN搭載の法人向けモデルN900iL、国際ローミングサービスに対応したN900iGなど、様々な派生モデルが発売され、ユーザーニーズに対応した製品展開が行われました。

発売後には、端末が勝手に再起動する、iモード接続ができない、着信音量がリセットされるなどの不具合が報告されました。これらの不具合はソフトウェアのバグが原因と特定され、ソフトウェア更新によって修正されました。

まとめ

N900iは、コンパクトなデザイン、高性能カメラ、そして充実した機能を備えた、当時の最先端技術を凝縮した携帯電話でした。発売から様々なバリエーションが展開され、多くのユーザーに愛用された機種と言えるでしょう。その独特なデザインと使いやすさは、後続機種にも大きな影響を与え、携帯電話の歴史において重要な位置を占めています。発売から数年経った今でも、そのデザインや機能性の高さから、コレクターアイテムとしても人気があります。

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