NAOMI

NAOMI (New Arcade Operation Machine Idea)

NAOMIは、株式会社セガ（後のセガ・インタラクティブ）が1998年に開発したアーケードゲーム基板です。当時としては画期的な性能とコストパフォーマンスを実現し、数多くの人気ゲームを支えました。

概要

MODEL3の後継として登場し、ドリームキャストのアーキテクチャを共有することで、グラフィック処理能力と低コストを両立しました。アーケードゲーム基板としては初の新JAMMA規格(JVS)に対応しています。

命名は当時の副社長であった鈴木久司氏によるもので、MODEL3に続く「ファイナルモデル」「スーパーモデル」という意味を込め、スーパーモデルのナオミ・キャンベルにちなんで名付けられました。もっとも、これはあくまで後付けの理由であり、公式には“New Arcade Operation Machine Idea”の略とされています。

当初、ロゴの「O」はドリームキャストと同じ渦巻きマークでしたが、海外で「NA-MI」と誤読されることが多かったため、シンプルなオレンジ色の「O」に変更されました。

特徴

高性能と低コスト: ドリームキャストとの共通アーキテクチャにより、量産効果で高性能と低コストを実現。
拡張性: ROMボード、GD-ROMドライブ、サウンドカード、ビジュアルメモリリーダーなど、様々な拡張キットに対応。
マルチモニタ対応: メインボードを最大4枚までスタック接続可能で、マルチモニタ機種にも対応。
業界初の新JAMMA規格(JVS)に対応: 現在のアーケードゲームの標準規格であるJVSの先駆け。

NAOMI2

NAOMIの後継機種であり、NAOMIのDIMMボードとGD-ROMをそのまま使用できます。NAOMIのソフトも動作する上位互換性も備えています。ジオメトリ演算を専用チップでハードウェア化し、グラフィック性能が大幅に向上しています。

SYSTEMSP

キッズカードゲームやメダルゲーム向けに、DIMMボードとGDドライブの機能を統合した基板です。GDドライブはコンパクトフラッシュに、DIMMはフラッシュROMに置き換えられ、ネットワーク機能も搭載されています。

その後

2007年を最後にNAOMI GD-ROM SYSTEMの新作は登場しなくなり、ROMボードがメインに戻りました。これはGD-ROMディスクの生産ラインとドライブのメンテナンスが終了したことや、半導体価格の大幅な低下が要因です。

2009年まで新作が開発され、長らくアーケードゲームを支え続けました。最終バージョンのNAOMI2は、セガが独自にシステムアーキテクチャから設計した最後のアーケード基板となりました。

部品調達難に伴い、2017年3月31日をもって修理サポートは一部を除き終了しています。

スペック

CPU: SH-4 (200MHz/360MIPS)
浮動小数点演算能力: 1.4GFLOPS
RAM: 32MB
VRAM: 16MB
グラフィックスエンジン: Power VR2
ポリゴン描画能力: 300万/秒
同時表示色数: 1677万色
サウンドエンジン: YAMAHA スーパー・インテリジェント・サウンド・プロセッサ
ソフト供給媒体: カートリッジ型ROMボード / GD-ROM

主なゲームタイトル

クレイジータクシー
ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2
バーチャファイター4
頭文字D ARCADE STAGE シリーズ
甲虫王者ムシキングシリーズ

関連項目

ドリームキャスト
ATOMISWAVE
* MODEL3

NAOMIは、アーケードゲームの歴史において重要な役割を果たした基板であり、その技術とゲームは、多くの人々に愛されています。

もう一度検索