NBA地域ドラフト制度

NBA地域ドラフト制度とは

NBA地域ドラフト制度は、1949年から1965年まで実施されていた、北米プロバスケットボールリーグNBAにおける特殊なドラフト指名制度です。1966年のドラフト制度改定に伴い廃止されました。

制度の概要

NBAは、リーグ草創期において全国的な知名度が低く、財政基盤も脆弱でした。そこで、各チームが本拠地やその周辺地域のファンを獲得することで人気を拡大しようとしました。そのために導入されたのが、地域ドラフト制度です。

この制度では、ドラフト1巡目指名権を放棄する代わりに、ホームアリーナから半径50マイル以内の大学に所属する選手を指名することができました。地域ドラフトは通常のドラフトに先立って行われ、指名された選手は全体の総指名数には含まれませんでした。

この制度によって、地元の大学スター選手が地域チームに入団しやすくなり、チームは地元の支援を得やすくなりました。地域ドラフトを通じてNBA入りした選手の中には、リーグ史に名を残すスタープレーヤーも数多く存在します。

地域ドラフトの成果

地域ドラフトでは、合計22名の選手が指名を受けました。そのうち15名が後にオールスターに選出され、12名がバスケットボール殿堂入りを果たしています。また、トム・ヘインソーン、ウィルト・チェンバレン、オスカー・ロバートソン、ジェリー・ルーカスの4名は、新人王を受賞しています。

最も地域ドラフトで指名を行ったチームは、フィラデルフィア・ウォリアーズで6回です。次いで、シンシナティ・ロイヤルズが4回指名しています（レイカーズはミネアポリス時代とロサンゼルス時代を合わせて5回）。最も地域指名選手を輩出した大学は、シンシナティ大学で3名です。

なお、1954年、1957年、1961年のドラフトでは地域指名は行われていません。

歴代指名選手一覧

以下は、地域ドラフトで指名された選手の一覧です。

1949年: エド・マコーレー (セントルイス大学) - セントルイス・ボンバーズ
1950年: ボブ・カウンシル (バンダービルト大学) - インディアナポリス・オリンピアンズ
1950年: ポール・アリアジン (ビラノバ大学) - フィラデルフィア・ウォリアーズ
1951年: ジーン・メルキオーレ (ブラッドリー大学) - トライシティーズ・ブラックホークス
1951年: メル・ハッチンス (ブリガムヤング大学) - トライシティーズ・ブラックホークス
1952年: ビル・ミケルスン (ハムリン大学) - ミネアポリス・レイカーズ
1953年: ウォルター・デュークス (シートン・ホール大学) - ニューヨーク・ニックス
1953年: レイ・フェリックス (ロングアイランド大学) - ボルティモア・ブレッツ
1955年: ディック・ガケット (ラサール大学) - フィラデルフィア・ウォリアーズ
1955年: トム・ゴーラ (ラサール大学) - フィラデルフィア・ウォリアーズ
1956年: シー・グリーン (セントラルミシガン大学) - ロチェスター・ロイヤルズ
1956年: ハル・リーバー (セントルイス大学) - セントルイス・ホークス
1957年: 不実施
1958年: ヴァーン・ミッケルセン (ハミルトン大学) - ロチェスター・ロイヤルズ
1958年: ガイ・ロジャース (テンプル大学) - フィラデルフィア・ウォリアーズ
1959年: トム・ヘインソーン (ホーリークロス大学) - ボストン・セルティックス
1959年: ジョニー・コックス (ケンタッキー大学) - シンシナティ・ロイヤルズ
1960年: オスカー・ロバートソン (シンシナティ大学) - シンシナティ・ロイヤルズ
1960年: ダレル・インホフ (カンザス大学) - ミネアポリス・レイカーズ
1962年: ジェリー・ルーカス (オハイオ州立大学) - シンシナティ・ロイヤルズ
1963年: ネイト・スRelaciona (ユタ州立大学) - ロサンゼルス・レイカーズ
1965年: ビル・ブラッドリー (プリンストン大学) - ニューヨーク・ニックス

関連項目

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外部リンク

NBA Draft Index （英語）

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