NHKコスモメディアアメリカ

NHKコスモメディアアメリカ

NHKコスモメディアアメリカ（NHK Cosmomedia America, Inc.）は、日本の公共放送である日本放送協会（NHK）のグループ会社として、アメリカ合衆国で映像制作や放送に関連する多様な事業を展開している企業です。北アメリカ地域における日本のコンテンツ提供の重要な担い手として活動しています。

会社概要

本社の所在地は、アメリカ合衆国ニューヨーク州のマンハッタンにあるウォール街に置かれています。映像制作や放送事業を主軸としながらも、特定の対象に向けた番組制作やイベントの実施など、幅広い活動を行っています。

主な事業内容

同社は、主に北米地域を対象とした様々なサービスを提供しています。

ビデオ・オン・デマンド（VOD）サービス「Jme」
北アメリカの視聴者に向けて、日本の番組をインターネット経由で提供するVODサービスを運営しています。これにより、日本から離れた場所でも、日本の文化や情報に触れる機会を提供しています。

SVODサービス「dライブラリジャパン」
2018年からは、日本のドラマやバラエティ番組などを中心としたサブスクリプション型のVODサービス（SVOD）である「dライブラリジャパン」も提供しています。これは、特定のジャンルに特化したコンテンツを求める視聴者のニーズに応えるものです。

映像制作・放送関連事業
上記のサービス運営のほか、映像コンテンツの制作そのものや、放送に関連する技術・運営業務を手掛けています。

NHK向け番組制作・イベント事業
直接的な放送事業や配信サービスだけでなく、日本のNHK本体から委託された番組の制作業務を行ったり、文化交流やプロモーションを目的とした各種イベントの企画・運営なども手掛けています。

過去には、北米地域における主要な日本語番組チャンネルであった「テレビジャパン」の運営も行っていました。

沿革

現在のNHKコスモメディアアメリカは、いくつかの前身組織の統合を経て成立しています。

1988年8月: NHKエンタープライズアメリカ社（NEPA）が発足。これはNHKの海外事業展開の一環として設立されたと考えられます。

1990年11月: ジャパン・ネットワーク・グループ（JNG）が設立されました。この会社は、日本のNHKグループと伊藤忠商事グループを中心に、日米双方から合計28社の出資を得て設立された、比較的幅広い基盤を持つ組織でした。

2010年4月1日: JNGがNEPAの事業一切を譲り受ける形で経営統合を実施しました。この統合により組織体制が再編され、現在の社名であるNHKコスモメディアアメリカとなりました。これは、海外におけるNHK関連事業の効率化や強化を目的とした動きと言えます。

組織

同社の主要な株主は以下の通りです。

NHKエンタープライズ
* 伊藤忠商事

これらの株主構成は、NHKグループの中核企業と日本の大手総合商社が連携して海外事業を推進している体制を示しています。

NHKコスモメディアアメリカは、アメリカ合衆国において日本の放送文化やコンテンツを流通させる重要な役割を担っており、北米の視聴者と日本を結ぶ架け橋となっています。

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