NIFC-CA

海軍統合火器管制-対空(NIFC-CA)

アメリカ海軍の防空戦コンセプトである海軍統合火器管制-対空（NIFC-CA）は、対空センサーと防空火力を機動的に融合させる仕組みです。この方法により、効率的な防空戦が展開され、また地平線の向こう側に位置する目標をリモート交戦（EOR）で攻撃することが可能となります。

キルチェーンとSoS

NIFC-CAはキルチェーンと呼ばれる総合的なシステムを構築しています。このシステムは、複数の要素を連携させることで高次の機能を提供する手法、すなわちSystem of Systems（SoS）に基づいています。アメリカ軍はこの考え方により、情報収集や運用指揮、精密兵力の三つの技術を持ち寄り、相乗効果を生み出すことを意図しています。1995年に提唱されたこの概念は、アメリカの四軍を一体化させる情報技術の重要性を示しています。キルチェーンは、目標発見のためのリモートセンサー、武器管制を担当するシステム、これらを結びつけるセンサーネットワーク、そして実際に弾を飛ばすミサイルで構成されています。

NIFC-CAは、その中で艦対空（FTS）、空対空（FTA）、地対空（FTL）の三つの運用形式を持ちます。これらの作戦において、E-2Dアドバンスドホークアイが中心的な役割を果たし、センサーネットワークとして戦術データ・リンク（リンク 11/16/22）や共同交戦能力（CEC）が活用されています。

各キルチェーンの詳細

• - NIFC-CA FTS: この形式では、リモートセンサーとしてE-2DやJLENSが使用され、イージス艦はSM-6艦対空ミサイルを発射して敵を排除します。イージスシステムはベースライン9からNIFC-CAに対応しており、SM-6は独自の誘導方式により、母艦の指示に依存せずに射撃を行うことができます。

• - NIFC-CA FTA: 空母やその航空団によって運用されるこのシステムは、E-2DやF/A-18E/Fをリモートセンサーとして利用し、空対空ミサイルのAIM-120を使用して目標を排除します。

• - NIFC-CA FTL: アメリカ海兵隊の地上部隊が使用するこの形式は、E-2DやJLENSのほかにAN/TPS-59/80 3次元レーダーがセンサーとして組み込まれる予定です。データは海兵隊の複合追跡ネットワーク（CTN）を通じて共用航空指揮管制システムに送信されます。

センサーネットワーク

現時点（2015年）では、武器管制に必要なデータの迅速な交換にはCECのリンクが重要な役割を担っていますが、これは見通し線による制約があります。一方、戦術データ・リンクは広域での通信が可能ですが、武器管制に必要な精度情報の共有には不足があります。このため、既存のリンク16用端末の機能を拡張する新しい通信システムの開発が進行中です。また、次世代の大容量通信技術として戦術測的ネットワーク技術（TTNT）の導入も検討されています。

総じて、NIFC-CAは防空戦の高度な戦略を確立するために、技術革新と効率化を追求し続けており、アメリカ海軍の運用能力を向上させる重要な要素となっています。

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