NORゲート

NORゲートとは

NORゲート（ノアゲート）は、デジタル回路における基本的な論理ゲートの一つで、否定論理和を実現します。これは、入力された全ての信号の論理和（OR）をとり、その結果を反転（NOT）させる動作をします。具体的には、全ての入力がLow（0）の場合にのみ出力がHigh（1）となり、一つでもHigh（1）の入力があれば、出力はLow（0）になります。

NORゲートの特徴

• - 否定論理和: 全ての入力の論理和を反転させる動作。
• - 機能完備性: NANDゲートと同様に、NORゲート一つで任意の論理ゲートを構成できる特性。

記号

NORゲートは、MIL規格やANSI、IEC、DINといった各規格で異なる記号で表現されます。

ハードウェアの実装とピン配置

NORゲートは、汎用ロジックICとしてNANDゲートに次いで基本的な製品であり、様々なバリエーションが存在します。

74シリーズ

TTLロジックの74シリーズには、以下のようなNORゲートICがあります。

• - 7402: 2入力NORゲート×4
• - 7427: 3入力NORゲート×3
• - 7425: 4入力NORゲート×2
• - 74260: 5入力NORゲート×2
• - 744078: 8入力NORゲート×1

また、CMOS版の74HCシリーズにも多数のバリエーションが存在します。

4000シリーズ（CMOS）

CMOSロジックの4000シリーズには、以下のようなNORゲートICがあります。

• - 4001: 2入力NORゲート×4
• - 4025: 3入力NORゲート×3
• - 4002: 4入力NORゲート×2
• - 4078: 8入力NORゲート×1

さらに、RTLやECLといった古い方式でも、NORゲートは効率的な回路構成が可能であったため、広く利用されていました。

回路構成例

NORゲートは、トランジスタを用いて実装されます。以下にNMOSとCMOSでの2入力NORゲートの構成例を示します。

• - NMOS: 入力信号がHighになると、対応するMOSFETがONになり、出力がLowになります。全ての入力がLowの場合にのみ、プルアップ抵抗によって出力がHighになります。
• - CMOS: CMOS回路では、入力に静電放電保護用のダイオードと抵抗が追加されています。これらは論理的な機能には影響しません。

代替実装

NORゲートが入手困難な場合、NANDゲートを使用してNORゲートと同等の機能を実現することができます。NANDゲートとNORゲートは、どちらも単独で任意の論理ゲートを構成できるため、柔軟な回路設計が可能です。

まとめ

NORゲートは、デジタル回路において重要な役割を果たす基本的な論理ゲートです。その否定論理和の特性は、様々なデジタル回路の設計において不可欠であり、NANDゲートと共に論理回路の基礎をなしています。

関連項目

• - NANDゲート
• - 論理ゲート
• - デジタル回路

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