NUTS (ゲーム)

ゲーム『NUTS』の概要

『NUTS』（ナッツ）は、アイスランド出身のゲームクリエイター、Joon Van Hoveによって開発され、Noodlecakeが発売した一人称視点の3Dアドベンチャーゲームです。このゲームでは、プレイヤーはヴィアゴ研究所に雇用された調査員として、メルモスの森に生息するリスの生態を追跡します。調査を進めながら、15年前に起こったダム建設計画の背後にあるパノラマ社と研究所の教授ニーナ・ショルツとのつながりが明らかになっていきます。

ゲームのシステム

『NUTS』の物語は、全6章に分かれて構成されており、それぞれ異なるエリアが舞台となっています。プレイヤーは、キャラバンと呼ばれるキャンピングカーを拠点に活動し、ニーナから電話やファックスを通じて与えられる目標を達成していくのが主な流れです。

各章は昼と夜のパートに分かれており、昼間はフィールドを探索しながらリスの通過ポイントに三脚付きのビデオカメラを設置します。物語が進むにつれて、設置できるカメラの数は最大3台まで増えます。この間、持っているGPS機能付きの無線機のディスプレイでフィールドの状況を把握し、比較的容易に目的を達成できます。昼の探索後、キャラバンに戻り、録画した映像を確認する夜のパートが始まります。ここでは、リスの行動を捉えた映像を確認し、必要であればその場面を一時停止して印刷し、ニーナに送信することで次のストーリーへと進展します。毎日リスは同じルートを通るため、このサイクルを繰り返しながら調査を進めていきます。

開発の経緯

本作の開発は、Joon Van Hoveと友人のTorfi Asgeirssonが、ゲーム内にカメラとテレビを組み込み、様々な視点から同時に見るという実験を趣味として始めたことがきっかけでした。2018年1月にはゲームジャムでプロトタイプを作成し、itch.ioで無料配信したところ多くの好評を得ました。これを受けてVan Hoveはプロジェクトの売り込みを行い、Noodlecakeと契約することになりました。

開発チームは、インディーゲーム制作のトレンドを受け、スタジオを持たずにリモートで作業を行いました。これにより、各メンバーの強みを活かしたコラボレーションが実現しました。森を舞台にしたテーマが決まった後、リスをカメラで捉えるアイデアが生まれ、開発チームは多くのリスの映像を参照しながらキャラクターの動きにリアリズムを持たせました。

グラフィックと雰囲気

ゲーム内のグラフィックは、トーンオントーン配色を基に作られており、色相を統一する一方で、明度の違いを用いています。白黒の強調が特徴の作品と異なり、本作はカラーパレットのコントラストを利用し、距離に基づくレンダリングを行っています。この結果、黄昏時の不気味さを醸し出すことで、リスを観察するというテーマと見事に調和しています。

評価と受賞歴

『NUTS』は、IndieCade 2020にて「The Audio Design Award」を受賞し、第23回IGF Awardsでは「Excellence in Narrative」の佳作に選ばれました。独特な gameplay と深い物語展開が注目を集め、多くのプレイヤーに愛されています。

まとめ

『NUTS』は、リスを追いかけながら展開される深淵な物語を通して、謎解きと探索の楽しさを味わえる独自の3Dアドベンチャーゲームです。独創的なプレイスタイルやグラフィック、音響のデザインにより、プレイヤーはまるで物語の一部になったかのような感覚を楽しむことができます。

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