NVIDIA ION

NVIDIA IONとは

NVIDIA ION（エヌヴィディア イオン）は、NVIDIAがネットブックやネットトップといった小型デバイス向けに展開したプラットフォームのブランド名です。主にIntel Atomプロセッサと組み合わせて使用されることを想定していました。初期のネットブックではグラフィック性能が課題でしたが、IONの登場によってその状況が大きく改善されました。

第1世代 NVIDIA ION

第1世代のNVIDIA IONは、GPU統合型のチップセットとして登場しました。これは、NVIDIA GeForce 9400M Gをベースにしており、Direct3D 10に対応していたため、Windows Vistaの互換認証を受けています。当時のIntel Atom搭載ネットブックでは、Intel 945GSEとICH7Mの2チップ構成が一般的で、内蔵GPUはDirect3D 9までの対応、メモリインタフェースもDDR2-667までという制約がありました。それに対し、NVIDIA GeForce 9400M GはDirect3D 10世代のGPUを搭載し、メモリもDDR2-800とDDR3-1066に対応しており、より高速な処理が可能となりました。

また、サウスブリッジを統合した1チップ構成であるため、マザーボードの実装面積も小さくなるというメリットがありました。これにより、ある程度の3D性能を必要とするゲームをプレイしたり、Blu-ray DiscのフルHD（1080p）映像を再生することが可能になりました。さらに、NVIDIAが推進するGPGPU技術であるCUDAを活用することで、動画圧縮処理においてIntel Atom単体と比較して最大10倍の高速化を実現しました。

IONを搭載した最初のマザーボードは、2009年5月に香港のZOTAC社から発売され、価格はIntel製のAtom搭載マザーボードよりも高価でした。その後、6月にはIONを採用した初のネットトップ「Acer AspireRevo」、初のネットブック「サードウェーブ Prime Note Cresion NA」、そして「Lenovo IdeaPad S12」が市場に投入されました。

第2世代 NVIDIA ION

第2世代のAtom（開発コードネーム：Pine Trail）では、ノースブリッジ機能がCPUに統合されたため、従来のIONは対応できなくなりました。これに対応するため、第2世代のIONではAtomとIntel NM10 Expressチップセットに単体GPUを追加する形で提供されることになりました。この第2世代IONでは、NVIDIA Optimus Technologyが採用されており、高度なグラフィックス処理やCUDA処理が必要な時のみGPUが動作することで、消費電力の増加を最小限に抑えることができました。

第2世代IONのグラフィックスコアは16個で、DirectX 10.1とOpenGL 3.3をサポートしています。これにより、より高度なグラフィックス処理が可能になりました。2010年5月には、ZOTAC社から第2世代IONを搭載したベアボーン「ZBOX HD-ID11」が発売され、9月にはASUS社から第2世代IONを搭載した最初のマザーボード「AT5IONT-I」が発売されました。

関連項目

組み合わされるCPU
Intel Atom
マザーボードの規格
ATX
BTX
DTX
Mini-ITX

外部リンク

NVIDIA ION プラットフォーム
NVIDIA ION グラフィックプロセッサ
第2世代NVIDIA ION ニュースリリース（2010年3月2日）

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