Nintendo Switchのゲームタイトル一覧 (2023年)

2023年 Nintendo Switchゲーム市場の動向

2023年のNintendo Switch市場は、パッケージソフト市場の縮小傾向が見られる一方で、デジタル流通の発展や基本プレイ無料作品の増加など、新たな潮流が生まれています。そのような状況下でも、任天堂はソフトの供給を継続し、多様なニーズに応える戦略を打ち出しました。

マリオシリーズの復権と新たな潮流

2023年春に公開されたアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、マリオシリーズ全体の売上を押し上げる起爆剤となりました。『マリオカート8 デラックス』をはじめとする既存作品が再び脚光を浴び、任天堂自身もこの勢いに乗るように、下半期にはシリーズ作品を積極的に投入しました。

特に注目されたのは、2Dマリオとして11年ぶりの新作となる『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』です。発売からわずか2週間で全世界累計430万本を売り上げ、マリオシリーズ史上最高の売上を記録しました。また、スーパーファミコン時代の名作『スーパーマリオRPG』のリメイク版も大きな話題を呼びました。スクウェアとの共同制作という権利関係の複雑さから移植は不可能と思われていた作品だけに、発売前から大きな反響を呼び、オリジナル版を忠実に再現した内容も高く評価されました。

ゼルダ、ピクミンなど、人気シリーズの進化

マリオシリーズ以外にも、注目作が続々と登場しました。5月12日に発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、発売から3日間で全世界累計1000万本を突破し、「最も早く売れた任天堂ゲーム」としてギネス記録を更新しました。前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』も相乗効果で売上を伸ばし、シリーズ全体の人気を底上げしました。本作ではクラフト要素が強化され、プレイヤーが作成したユニークな構築物がSNSで拡散されるなど、新たなムーブメントも生まれました。

また、ピクミンシリーズ10年ぶりのナンバリングタイトルとなる『ピクミン4』も、全世界で過去最高の初動販売を記録し、シリーズのファン層を拡大しました。任天堂の決算報告によると、初代『ピクミン』をテレビCMで知った世代が親となり、当時を懐かしみながら子供と一緒に楽しむ姿が見られるなど、新たなファン層の開拓に成功しています。

ダウンロード専売タイトルの注目作

ダウンロード専売タイトルにも、魅力的な作品が登場しました。1月19日に配信された『ドーナツ・ドド』は、『マリオブラザーズ』や『ドンキーコング』を彷彿とさせる固定画面アクションで、中毒性の高いゲーム性とハイテンションなBGMが人気を集めました。後にアーケードゲーム化もされ、その人気を証明しました。

『甲虫王者ムシキング』の植村比呂志氏と「コロコロコミック」編集部が共同制作した『カブトクワガタ』は、虫たちのリアルな描写が注目を集めました。ルーレットによる戦闘システムや合成音声による読み上げ機能など、ユニークな要素が満載で、当初は「奇抜な低予算作品」と見られていましたが、視覚障がい者からの評価をきっかけに、アクセシビリティに優れた作品としても認知されるようになりました。

往年の名作の復刻と課題

往年の名作の復刻も、2023年の市場を盛り上げました。『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』は、発売から2日間で5万本を超える売上を記録し、年間ダウンロードランキングでも上位にランクインしました。この人気がきっかけとなり、翌年にはPlayStation 5などで発売された『デッドライジング デラックスリマスター』のDLCに、ロックマンエグゼをモチーフとしたコンテンツが採用されるなど、他作品への影響も見られました。

一方で、ウクライナ侵攻の影響により、任天堂はロシア市場からの撤退を余儀なくされました。ロシア国内における事業を縮小し、ニンテンドーeショップも既存ユーザー向けの再ダウンロードに限定されるなど、国際情勢がゲーム市場にも影響を与える出来事となりました。

2023年のNintendo Switch市場は、人気シリーズの新作や復刻版、ダウンロード専売タイトルなど、多様な作品が登場し、ユーザーを楽しませました。一方で、国際情勢の変化や市場の構造的な変化など、課題も浮き彫りとなる一年となりました。

もう一度検索