Nvidia G-Sync

G-Syncとは

G-Sync（ジーシンク）は、NVIDIAが開発したプロプライエタリな可変リフレッシュレート技術です。この技術の主な目的は、画面のティアリングを解消し、アナログ技術などの代替ソフトウェアの必要性をなくすことです。G-Syncは、出力デバイス（グラフィックスカード/統合グラフィックス）のフレームレートに合わせてディスプレイのリフレッシュレートを調整することで、画面のティアリングを防止します。

従来のディスプレイでは、フレームが出力される途中で更新が行われる可能性があり、画面のティアリングや複数のフレームが同時に表示される問題がありました。G-Syncは、この問題を解決するために、NVIDIA独自のG-Syncモジュールをモニターに搭載する必要があります。

一方、AMDはFreeSyncという同様の技術を開発しており、こちらはロイヤリティフリーで利用できます。

G-Syncの仕組み

G-Syncモジュールは、画面に複製が描画される間に新しいフレームの準備が完了した際に発生する可能性のある、ディスプレイラグやスタッターを回避するための衝突回避機能を備えています。モジュールは更新を予測し、次のフレームを待機することで、これらの問題を解消します。

また、可変リフレッシュレート環境では、ピクセルオーバードライブの制御が難しくなります。そのため、G-Syncモジュールは次のリフレッシュタイミングを予測し、それに応じてオーバードライブ値を調整するソリューションを実装することで、ゴーストを回避します。

ハードウェア要件

G-Syncモジュールは、Altera Arria V GX family FPGAをベースにしており、156Kのロジックエレメント、396のDSPブロック、67のLVDSチャネルを搭載しています。このFPGAは、TSMCの28LPプロセスで製造され、3つのDDR3L DRAMチップとペアになっており、合計768MBの容量を持ちます。また、FPGAはモニターパネルを駆動するためのLVDSインターフェースも備えています。

これにより、一般的なスケーラーの代替となり、モニターメーカーは電源供給回路基板と入力接続のみを処理するだけで、G-Sync対応モニターを簡単に製造できます。

GPU

G-Sync、G-Sync Ultimate: NVIDIA GeForce GTX 650 Ti Boost GPU以上
G-Sync compatible: GeForce 10 series (Pascal) 以降

ドライバー

R340.52以上
R417.71以降 (G-Sync compatible)

オペレーティングシステム

Windows 7, 8, 8.1, 10
Linux, FreeBSD, Solaris
Windows 10 x64 (G-Sync compatible)

システム要件

GPUから直接DisplayPort 1.2をサポート (G-Sync対応ディスプレイポート1.2a)

モニター

DisplayPort v1.2以降を介してネイティブに接続されたG-Syncモニター (G-Sync compatibleの場合は1.2a)

批評

G-Syncは独自の技術であるため、DisplayPort 1.2aのオプション機能であるVESA標準のAdaptive-Syncなど、無料の代替手段が存在するにも関わらず、推奨されることがあります。AMDのFreeSyncはDisplayPort 1.2aのオプションコンポーネントに依存しますが、G-Syncは、GeForce 10シリーズ以降のNVIDIA製グラフィックスカードで適切に機能するために、ディスプレイの通常のスケーラーの代わりにNVIDIA製のモジュールを必要とします。ただし、一部のG-Sync対応モニターはAMDのFreeSyncも利用できます。

G-Sync対応モニター

G-Sync対応モニターには、以下の種類があります。

G-Sync対応モニター一覧
今後のG-Sync対応モニターリスト
G-Sync対応デスクトップGPUリスト

G-Syncノート

NVIDIAは、ノートブックメーカーがG-Syncを利用できるようになると発表しました。ノートブックの場合、GPUはスケーラーを介さずにディスプレイに直接接続されるため、特別なモジュールは不要です。NVIDIAによると、同じモデルのすべてのノートブックが同じLCDパネルを備え、GPUで実行されるシェーダーによって可変オーバードライブが計算され、フレーム衝突回避も実装されます。

「ビッグフォーマット」ゲーミングディスプレイ

CES2018では、HP、Asus、Acerによって製造された65インチ、4K、HDR、G-Syncサポートを備えた大型ゲーミングモニターが発表されました。G-Syncモジュールが組み込まれているため、これらのモニターは、TVサイズのディスプレイとしては初めて、可変リフレッシュレートに対応しています。

G-Sync Compatible

CES2019で、NVIDIAはG-Sync Compatibleという新しい規格を発表し、FreeSync技術を使用した可変リフレッシュレートモニターをサポートすると発表しました。この規格に基づくモニターは、NVIDIAによってテストされ、可変リフレッシュレートのベースライン要件を満たしていることが確認されています。NVIDIA製GPUで使用するとG-Syncが自動的に有効になります。

ただし、公式に認定されていないFreeSyncモニターを使用しているユーザーも、NVIDIAコントロールパネルでG-Syncオプションを有効にできます。G-Syncとは異なり、G-Sync CompatibleディスプレイはGTX10シリーズ以降でのみ互換性があります。

脚注

外部リンク

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