O-1 (航空機)

O-1（バードドッグ）について

O-1は、アメリカ合衆国のセスナ社が製造した軽飛行機「セスナ170」を基にした軍用機です。この機体は主に連絡機や観測機として利用され、愛称は「バードドッグ」と名付けられています。最初はL-19として知られていましたが、1962年にアメリカの三軍が航空機の名称を統一する際にO-1と改称されました。

設計と開発

アメリカ陸軍は、戦場での砲兵の弾着観測や連絡業務に使用できる全金属製航空機の需要が高まりました。第二次世界大戦中に使われた機体は耐久性に欠けていたため、新たな設計が求められました。この要求に応じて、セスナ社は「セスナ・モデル305A」として新型機を開発しました。305Aは、セスナ170と類似したデザインを持ちながら、後方視界を改善するために胴体のデザインが見直され、ストレッチャーの積載も考慮した大きなドアを備えていました。

アメリカ陸軍はこの機体をL-19Aバードドッグと命名し、418機の発注が行われました。初飛行は1949年12月14日で、その後1950年12月から配備が開始され、朝鮮戦争において実戦投入されることになりました。さらに1953年には計器練習機型も開発され、最終的には3,431機が生産されました。これには日本の富士重工業による22機のライセンス生産も含まれています。

戦歴

アメリカ軍は、1950年から1959年にかけて3,200機のL-19を発注し、この機体は様々な任務に使用されました。1962年の名称変更後、O-1はベトナム戦争に参加し、南ベトナム空軍やアメリカ陸軍によって運用されました。特に偵察任務や航空管制（FAC）において重要な役割を果たしました。

しかし、O-1は限られた武装しか持たず、その上防弾装備がなかったため、その損失は多く、最終的には多くの機体が戦場で失われました。1964年以降は、O-1はアメリカ空軍に移管されることが決定され、その後OV-10ブロンコやO-2スカイマスターと交替することとなりました。O-1の運用は1974年まで続きました。

各型解説

O-1にはいくつかの型がありますが、L-19Aをはじめとして、TL-19A（練習機型）、L-19E（発展型）、OE-1（海兵隊型）などが存在します。特にL-19Aは最も生産された型であり、2,486機が製造されました。また、TL-19Dは計器練習機型であり、310機が生産されました。こうして多様な派生型が生まれ、運用の幅も広がりました。

採用国

日本の陸上自衛隊では107機のL-19Aを使用して連絡機として運用しました。1965年には不足分を国産する計画が立ち上がり、富士重工業がセスナ社からライセンスを取得し、22機のL-19Eを生産しました。

性能諸元（O-1E）

• - 乗員: 2名
• - 全長: 7.6m
• - 全幅: 10.9m
• - 全高: 2.3m
• - 主翼面積: 20.7m²
• - 自重: 680kg
• - 最大離陸重量: 1,000kg
• - エンジン: コンチネンタルO-470-11水平6気筒（213hp）
• - 最大速度: 209km/h
• - 巡航速度: 167km/h
• - 航続距離: 1,296km
• - 上昇限度: 7,000m
• - 上昇力: 453m/min

登場作品

O-1は映画『大怪獣ガメラ』に登場し、陸上自衛隊が使用する機体として描かれています。このように、O-1は映画やマスメディアでも印象的に取り上げられる存在となりました。

参考文献

• - 『現代アメリカ軍用機』（酣燈社、1966年）
• - 『日本航空機辞典（上巻）』（モデルアート社、1992年）
• - Gordon Swanborough & Peter M. Bowersの「United States Military Aircraft since 1909」

もう一度検索