O-52 (航空機)

カーチス O-52 オウルについて

カーチス O-52（Curtiss O-52 Owl）は、アメリカのカーチス社によって開発された、単葉の観測機であり、アメリカ陸軍航空隊（USAAC）で第二次世界大戦前から使用されていました。この機体は複座の観測機として設計され、特に1939年に開発が始まりました。O-52は、USAAC向けに製造された最後の「重」観測機の一つであり、その起源は第一次世界大戦まで遡ります。1940年には203機が発注され、1941年までに生産が進められました。

設計と開発

O-52の開発は、1940年代の初頭において、観測機の役割が戦局の変化により再評価されていた時期に行われました。第二次世界大戦に突入するにあたり、O-52は当初の計画通りの任務を果たすことが困難であるとの見解が強まりました。このため、この機体は次第にその運用が制限され、米国本土内での連絡任務や近距離の対潜戦に活用されることになりました。

運用の歴史

O-52は米国で軍事演習に多く使われましたが、戦争の進展と共にその限界が認識され始めました。アメリカ陸軍航空軍（USAAF）は、国外の戦闘任務では効果が薄いと判断し、O-52を身近な連絡任務に使用する決定を下しました。この時期にO-52は、メキシコ湾や大西洋、太平洋での近距離対潜戦にも従事しました。その後、アメリカ陸軍航空隊はO-52を使用する最後の機構として、この「O」名称が廃止され、その代わりに「L」名称が用いられることになりました。

1942年11月、ソビエト連邦はレンドリース法に基づきO-52を30機発注しましたが、実際に陸揚げされたのは19機に過ぎませんでした。これらの機体は着弾観測や偵察任務に活用されましたが、ソ連国内での評判は約したものではなく、数機は1950年代まで運用されていたものの、その関心は限られていました。

現存する機体

現在、いくつかのO-52が博物館に保管されています。オハイオ州デイトンのライト・パターソン空軍基地にある国立アメリカ空軍博物館には、O-52（s/n 40-2763）が展示されています。この機体は1962年にカリフォルニアのU.S. Federal Reformatoryから収蔵されたものです。また、アリゾナ州ツーソンのピマ航空宇宙博物館にはO-52（s/n 40-2746）があり、現在は修復作業が行われています。さらに、カリフォルニア州チノのヤンクス航空博物館にもO-52（s/n 40-2769）が存在しています。

諸元

• - 乗員：2名
• - 全長：8.03m (26 ft 4 in)
• - 全幅：12.43m (40 ft 9 in)
• - 全高：2.83m (9 ft 3 in)
• - 翼面積：19.552 m² (210.42 ft²)
• - 空虚重量：1,919kg (4,213 lb)
• - 全備重量：2,433kg (5,364 lb)
• - エンジン：プラット・アンド・ホイットニー R-1340-51 星型エンジン、600 hp (447 kW)
• - 最大速度：354 km/h (220 mph)
• - 巡航速度：309 km/h (192 mph)
• - 航続距離：1,127 km (700 miles)
• - 巡航高度：6,400 m (21,000 ft)
• - 武装：

- 前方 固定 0.30 in (7.62 mm) 機銃
- 後部座席 旋回式 0.30 in (7.62 mm) 機銃

O-52はその設計と運用の面で、アメリカ陸軍航空隊の初期の観測機の一つとして重要な役割を果たしました。

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