OICW

OICW (Objective Individual Combat Weapon)

OICW（Objective Individual Combat Weapon）は、アメリカ軍の陸軍、海軍、空軍、海兵隊が共同で推進した、次世代アサルトライフルの開発計画の総称です。これは「個人主体戦闘武器」とも訳され、将来の歩兵が携行する戦闘兵器として、その能力向上を目指したものでした。

概要

OICW計画は、従来の小銃の枠を超え、より高度な機能と火力を歩兵に提供することを目的としていました。具体的には、20mmグレネード弾を発射可能なグレネードランチャーと、5.56mm NATO弾を使用するアサルトライフルを一体化させ、さらに高度な照準システムを搭載することで、命中率と有効射程の向上を図りました。

この計画の背景には、都市部など複雑な地形での戦闘や、非対称な戦闘環境における歩兵の生存性と戦闘能力の向上が求められたことがあります。OICWは、敵を制圧し、隠れた目標を排除し、多様な脅威に対処できる、柔軟性の高い兵器として期待されました。

開発の経緯

OICW計画は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、様々な試作兵器の開発と評価が行われました。代表的なものとしては、XM29 OICWが挙げられます。これは、グレネードランチャーとアサルトライフルを組み合わせた複合兵器であり、先進的な照準システムを備えていました。

しかし、XM29 OICWは、重量が重く、構造が複雑で、コストが高いといった問題点が指摘されました。また、技術的な課題も多く、開発は難航しました。最終的に、OICW計画は中止され、個々の要素技術は、他の兵器開発計画に活かされることとなりました。

関連兵器

OICW計画は中止されましたが、そのコンセプトは、他の国々の兵器開発に影響を与えました。例えば、韓国のK11複合型小銃は、OICWと同様に、グレネードランチャーとアサルトライフルを一体化させた兵器であり、一部が実戦配備されています。

まとめ

OICW計画は、アメリカ軍が将来の歩兵戦力の中核を担う兵器を模索した、野心的な試みでした。計画自体は実現しませんでしたが、そのコンセプトや技術は、後の兵器開発に大きな影響を与えました。OICWは、現代の歩兵用兵器の進化における、重要な一歩であったと言えるでしょう。

関連項目
小銃・自動小銃等一覧
XM29 OICW - 米国が開発していたOICW。
K11複合型小銃 - 韓国が開発したOICW。一部、実戦配備が行われている。

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