ON THE STREET CORNER 3

山下達郎によるアカペラアルバム『ON THE STREET CORNER 3』は、1999年11月25日にリリースされ、彼の類まれな音楽性を改めて印象づける作品となりました。このアルバムは、ソロによる緻密な多重録音によって生み出された、聴き応えのあるアカペラ作品として高い評価を得ています。

『ON THE STREET CORNER』シリーズの3作目となる本作は、前作までとは異なり、オリジナル楽曲「LOVE CAN GO THE DISTANCE」を収録している点が大きな特徴です。この曲は、後に限定シングルとしてもリリースされていますが、カップリング曲の「WHEN YOU WISH UPON A STAR」は、2005年発表のオリジナルアルバム『SONORITE』に収録されるなど、その後の作品にも影響を与えています。アルバム全体としては、選曲、アレンジ、そして山下達郎の卓越したボーカルスキルが織りなすハーモニーが、リスナーを魅了する、完成度の高い作品に仕上がっています。

パッケージにもこだわりが感じられます。初回盤は、三方背ボックス仕様に加え、カレンダーが同梱された、コレクター垂涎の限定仕様となっており、所有する喜びをさらに高めています。この手の限定仕様は、ファンにとって非常に魅力的な要素であり、市場でも高いプレミア価格で取引されるケースも見られます。

さらに、『ON THE STREET CORNER』シリーズ3作のリリースを記念して、「1+2+3=0」キャンペーンが展開されました。このキャンペーンでは、『ON THE STREET CORNER 1』『ON THE STREET CORNER 2』、そして本作『ON THE STREET CORNER 3』の3枚のアルバムに付属するタスキ帯に記載されたロゴマークを集めて応募すると、スペシャル・ボーナスCDと、重量盤仕様のアナログ盤『ON THE STREET CORNER 0』がプレゼントされました。このアナログ盤には、CD版とは異なる収録曲が収録されているなど、ファンにとって嬉しい企画となっています。

収録曲は、洋楽の名曲のカヴァーを中心に構成されており、山下達郎の解釈によって新たな魅力が加えられた楽曲の数々が並びます。例えば、「STAND BY ME」や「GLORIA」といった誰もが知る名曲は、山下達郎の手腕によって、アカペラならではの繊細さと力強さを兼ね備えた、独特の解釈で表現されています。また、オリジナル曲「LOVE CAN GO THE DISTANCE」のアルバムリミックスバージョンも収録されており、アルバム全体の統一感と完成度を高めています。これらの楽曲は、彼の音楽的才能と、アカペラというフォーマットの可能性を余すことなく示したと言えるでしょう。

『ON THE STREET CORNER 3』は、山下達郎の音楽性を多角的に捉え直す上で重要な作品であり、彼のキャリアの中でも特別な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。アカペラという形式の枠を超えて、多くの人々を惹きつけ、音楽史に名を残す作品として評価されるにふさわしい作品です。収録されている楽曲は、時代を超えて愛され続ける名曲ばかりであり、これからも長く聴き継がれていくことでしょう。

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