ONCF

ONCF（モロッコ国鉄）

ONCF（Office National des Chemins de Fer）は、モロッコにおける国営の鉄道運営会社です。日本語では「モロッコ国鉄」または「モロッコ国営鉄道」と呼ばれ、この国の重要な輸送インフラの一つとして様々な役割を果たしています。特に、国内の主要な都市間の長距離旅客輸送や、モロッコの主要な産業であるリン鉱石の物流に大きく関与しています。

インフラとネットワーク

ONCFが運営する鉄道網は、累計で2,110kmの幹線が存在し、そのうち640km（約30%）は複線、残りの1,580km（約75%）は電化されています。標準軌（軌間1,435mm）が採用されており、これにより効率的な運行が可能となっています。隣国アルジェリアの鉄道網と接続している部分もありますが、現在のところ国境閉鎖により直通運行は行われていません。ONCFの鉄道駅は120箇所に及び、主要都市間をスムーズに移動できる体制が整えられています。

旅客輸送の特色

ONCFは旅客輸送部門に力を入れており、代表的な路線としてマラケシュ、カサブランカ、タンジェを結ぶ路線があります。さらに、カサブランカとフェズやウジュダを結ぶ路線でも、快適な寝台列車が運行されています。カサブランカからムハンマド5世国際空港へのアクセスも提供されており、旅行者にとって非常に便利な輸送手段となっています。

経営実績

2016年の経営報告書によると、ONCFの旅客部門は年間で約39,500,000人の乗客を運び、1日あたり220本の旅客列車を運行しています。また、これにより年間の運賃収入は約1,420,000ディルハムに達しています。一方、貨物部門では年間28,200,000トンの貨物を輸送しており、1日あたり72本の貨物列車が稼働しています。これらの実績は、モロッコ国内における鉄道の重要性を物語っています。

近代化と未来の展望

近年、ONCFはフランスから技術支援を受け、アフリカ大陸では初めてとなる高速鉄道TGVの導入や新型機関車の導入を進めており、鉄道の近代化を図っています。この結果、よりスピーディーで快適な移動手段の提供を目指しており、今後の鉄道網のさらなる発展が期待されています。

関連項目

• - タンジェ＝カサブランカ高速鉄道
• - ジブラルタルトンネル
• - E1100形、E1200形、E1250形電気機関車

また、過去には日本から輸出された日立製作所製の電気機関車も使われていたことから、国際的な技術の交流も見られます。ONCFの公式ウェブサイトでは、さらに詳しい情報を提供しています。

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