OPEN HOUSE

映画『OPEN HOUSE』とは

『OPEN HOUSE』（オープンハウス）は、1997年に日本で製作された映画作品です。監督は、数々の秀作・話題作を手がけている行定勲。本作は、監督がキャリアの初期に発表した作品の一つとして知られています。原作は、作家であり、自身も映画監督として活動する辻仁成による同名の小説です。この小説の世界観が、行定監督によって映像化されました。

公開までの道のり

本作は完成後、すぐに全国規模で一般公開されたわけではありませんでした。まず、1998年6月20日には、岩手県盛岡市で開催された「みちのく国際ミステリー映画祭'98in 盛岡」にて上映されるという形で、観客にお披露目されました。映画祭での上映から時間が経過し、多くの観客が劇場で鑑賞できるようになったのは、製作から数年後のことでした。正式な一般公開日は、2003年12月13日。製作から実に6年以上の歳月を経て、本作は劇場公開へと至りました。こうした公開経緯は、インディペンデント色の強い作品や、特定の映画祭で先行上映される作品には時折見られますが、『OPEN HOUSE』もまた、独自の道のりをたどって広く観客に届けられた一本と言えるでしょう。

作品を彩る出演者たち

本作には、当時の若手からベテランまで、多様な俳優陣が集結しています。主要人物であるミツワを演じたのは椎名英姫、トモノリ役には川岡大次郎が起用されました。そして、物語の重要な人物であるユイコを南果歩が演じています。マキ役は、初瀬かおる（クレジットでは川越美和とも表記）が務めました。

その他にも、個性豊かなキャストが脇を固めています。

• - ミツワ：椎名英姫
• - トモノリ：川岡大次郎
• - ユイコ：南果歩
• - マキ：初瀬かおる（川越美和）
• - 小川：小木茂光
• - カメラマン：モロ師岡
• - ミヤケ：村田雄浩
• - 面接官・川上：利重剛
• - 不動産会社の男・後藤：光石研
• - 不動産会社の男・後藤の部下：津田寛治
• - 刑事：塩見三省
• - ユイコの母、トキコ：加藤登紀子

さらに、竹下宏太郎、日置明子、大野麻那、手塚とおる、田中哲司、春木みさよ、朝岡実嶺、筒井真理子といった俳優たちも出演しており、作品世界に深みを与えています。

主題歌

映画『OPEN HOUSE』の主題歌は、原作者である辻仁成自身が担当しました。楽曲のタイトルは、映画と同じく「オープンハウス」です。作家・監督としてだけでなく、音楽家としても活動する辻仁成が、自身の生み出した物語に音楽で寄り添っています。

原作となった小説

本作の映像化の基となったのは、辻仁成による同名小説『オープンハウス』です。この小説は、まず単行本として1994年3月4日に集英社から刊行されました（ISBN 978-4087740578）。その後、より手に取りやすい文庫版が、1998年3月20日に同じく集英社文庫より出版されています（ISBN 978-4087487589）。映画版は、この小説の世界観やテーマをどのように描いているのかという点も、鑑賞する上での興味深い要素となります。

まとめ

映画『OPEN HOUSE』は、1997年に製作され、独特な公開経緯をたどって観客に届けられた行定勲監督の初期作品です。辻仁成の原作小説を基に、多様なキャスト、そして原作者自らの手による主題歌によって構成されています。本作は、行定監督のフィルモグラフィーを辿る上でも、あるいは原作小説との比較といった観点からも、興味深い一本と言えるでしょう。

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