Olive (雑誌)

『Olive』の概要と歴史

『Olive』（オリーブ）は、日本のファッション文化において重要な役割を果たした女性向け雑誌です。1982年に平凡出版株式会社（現在のマガジンハウス）から創刊され、2003年8月をもって休刊しました。雑誌自体のスタイルや内容は、当時の若い女性たちに大きな影響を与えました。

創刊の背景

まず、1981年に男性向け雑誌『ポパイ』の増刊号として発刊され、その後1982年の6月に独立した誌面で創刊号を迎えました。『Olive』のキャッチコピー「Magazine for City Girls」は、都市的で洗練された若い女性をターゲットにしていました。創刊当初の編集長は木滑良久、実質的な編集を行ったのは椎根和でした。表紙デザインは堀内誠一が手がけ、アートディレクションは新谷雅弘によるものでした。

時代の変化と読み手の広がり

1983年からはキャッチフレーズを「Magazine for Romantic Girls」に改め、リセエンヌと呼ばれるフランスの女子学生文化を取り入れ、中高生を含む層へのアプローチを強化しました。特に、音楽や映画、アートといった分野に力を入れ、読者に新しいライフスタイルを提案しました。この頃、多くの若い女性たちが『オリーブ』に魅了され、「オリーブ少女」として知られるようになりました。

読者の変化

しかし、1990年代に入ると、若い女性の嗜好が変化し、より実用的なスタイルの雑誌が求められるようになってきました。それに伴い、『オリーブ』の独自性が薄れ、読者の興味が他の雑誌へ移ることにつながりました。酒井順子はその原因を「ギャル文化に駆逐された」と分析し、当時の文化の流れを振り返りました。

再発見と復活

2000年代には、スローライフのトレンドが強まり、『オリーブ』もその流れに乗って実践的な記事が増加しました。2003年に再度休刊し、その後2014年に特集企画として復活。さらに、2015年には「Oliveプロジェクト」が立ち上げられ、その中で特別号が発行されました。2020年にはムック『anan特別編集 Olive』として再度顔を出しました。

文化的意義

『オリーブ』はファッション雑誌としてだけでなく、ガーリーカルチャーやサブカルチャーを紹介する媒体としてものちに位置づけられました。内容はファッションだけに留まらず、古着やハーブティー、アフタヌーン・ティー、北欧雑貨など、多様な要素を取り入れていました。これにより、読者にさまざまなライフスタイルを与え、そのスタイルが広がっていったのです。

モデルと編集者

歴代のモデルには栗尾美恵子、観月ありさ、そして市川実日子などが名を連ね、雑誌のビジュアル面を強化していました。また、椎根和、淀川美代子、遠山こずえなど、編集者たちも『オリーブ』のコンセプトを支えた重要な人物でした。

結論

『Olive』は、その独自の視点と文化的意義を通じて、日本の女性ファッション誌の歴史に名を刻んでいます。時代ごとのトレンドに応じて変化しつつも、根底には常に「ロマンティシズム」が存在していました。その影響は現代にまで続き、多くの世代の女性たちの心に残り続けています。

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