OpenWindows (オープン・ウィンドウズ)とは
OpenWindowsは、
[サン・マイクロシステムズ]がかつて開発していた
ワークステーション向けの
デスクトップ環境です。
SunView、NeWS、そして
X Window Systemという3つの異なるプロトコルを組み合わせることで、独自の
デスクトップ環境を実現していました。
OpenWindowsは、
SunOS 4以降と
Solarisオペレーティングシステムに標準搭載されていました。しかし、
Solaris 9で
Common Desktop Environment (CDE) やGNOME 2.0といった新しい
デスクトップ環境に置き換えられ、その役目を終えました。
OpenWindowsの特徴
OpenWindowsは、そのGUIにOPEN LOOKの仕様を採用していました。具体的には、以下の4つの主要なコンポーネントから構成されていました。
1.
OPEN LOOKウィンドウマネージャー (olwm): ウィンドウの管理や操作を担当します。
2.
DeskSet生産性ツール: カレンダー、電卓、メールクライアントなど、日常的な作業を支援するアプリケーション群です。
3.
XViewおよびOLITウィジェットツールキット: アプリケーション開発を容易にするためのツールキットです。
4.
X11/NeWSウィンドウサーバー: 描画処理とウィンドウ管理の基盤となるサーバーです。
OpenWindowsの歴史
OpenWindowsの歴史は、1989年に
SunOS 4.0へのアドオンとしてリリースされたOpenWindows 1.0から始まります。これは、それまで使用されていた
SunViewウィンドウシステムの後継として登場しました。初期のOpenWindowsは「xnewsサーバー」をコアとしており、X11とNeWSの両方のアプリケーションをサポートするハイブリッドなウィンドウサーバーでした。また、
SunViewアプリケーションの表示もサポートしていました(ただし、十分なサポートとは言えませんでした)。
1990年の
SunOS 4.1.1からは、OpenWindows 2.0が
オペレーティングシステムにバンドルされるようになりました。
Solaris 2.0では、OpenWindows 3.0.1が搭載されました。1993年後半の
Solaris 2.3からは、X11の標準リリースであるX11R5に切り替えられましたが、OpenWindows(バージョン3.3)という名前は引き続き使用されました。この時点から、NeWSプロトコルはDisplay PostScriptのサポートに置き換えられ、
SunViewアプリケーションのサポートは終了しました。ただし、ウィンドウマネージャやツールの外観は、OPEN LOOKの仕様に基づいたものでした。
Solaris 7には、X11R6.4サーバーと共にOpenWindows 3.6.1が搭載されました。
OpenWindowsの終焉
1993年、サンを含む主要なUnixベンダーは、Unixの標準化を目的としてCOSEアライアンスを結成しました。このアライアンスは、Motifのルックアンドフィールを標準として採用し、サンはOpenWindowsを段階的に廃止し、CDE(
Common Desktop Environment)という新しい
デスクトップ環境を採用することを発表しました。
OpenWindowsの最後のリリースはバージョン3.6.2で、
Solaris 8に搭載されました。2002年の
Solaris 9のリリースでは、ついにOpenWindowsのサポートが削除され、OPEN LOOK DeskSetツール、OLIT、XView開発ツール、olwmが姿を消しました。ただし、XViewやOLITで構築されたアプリケーションの実行と表示のサポートは、
Solaris 9と
Solaris 10には残っていました。必要なライブラリは、
Solaris 11以降のリリースには含まれていません。
オープンソース開発
OpenWindowsの環境を復活させようとする動きもあります。「OWAcomp (OpenWindows Augmented Compatibility Environment)」と呼ばれるプロジェクトは、
Solaris 9、10、そして
Linux上でOpenWindowsのDeskSet環境を使用できるようにすることを目指しています。また、
SourceForge.netには、OpenWindowsをベースにした「openlook」というプロジェクトが存在します。このプロジェクトは、
Linuxを中心に開発が進められており、一部のOpenWindowsアプリケーションはサンによってオープンソースとしてリリースされていないため、書き直されたり、まだ欠落しているものもあります。
関連項目
参考資料
外部リンク
この記事は、Free On-line Dictionary of Computingからの資料を基に、GFDLバージョン1.3以降の「RELICENSING」条件に基づいて作成されています。