SunOS
SunOSは、サン・マイクロシステムズ（サン）が4.1cBSDをベースとして開発したUNIXオペレーティングシステム（OS）です。このOSは、後にSolarisと名前を変えましたが、SunOSはOSのカーネルの名称としてその歴史を刻んでいます。
1983年、BSDの開発者であり中心人物であったBill Joyがサンを設立する際に、4.1cBSDを基盤とした新たなOSが開発されました。これがSunOSの始まりです。SunOSは、NISやNFSといった今日のUNIXシステムで標準となっている技術を次々と実装し、着実にバージョンアップを重ねていきました。
1987年、サンはAT&Tと提携し、標準的なUNIXシステムの開発を共同で進めることを発表しました。その後、1989年にAT&TからAT&T System V Release 4が発表され、SunOSはSystem Vへの全面移行を決定しました。Solaris 1.1.2 (SunOS 4.1.4) を最後に、カーネルはSunOS 5.xとなり、System VをベースとしたSolaris 2.xシリーズへと移行しました。
SunOSの初期バージョンであるSunOS 1と2は、Sun-2シリーズのハードウェアをサポートしており、Sun-1のCPU基板をMC68010にアップグレードしたSun-2も含まれていました。SunOS 3は、Sun-2とSun-3シリーズ（MC68020）をサポート。SunOS 4では、Sun-2、Sun-3、Sun386i、そしてSun-4 (SPARC) アーキテクチャをサポートしました。SunOS 4はSPARCプロセッサを本格的にサポートした最初のリリースであり、Sun-4システムはSunOS 3.2でも一部サポートされていました。
SunOS 4.1.2では、サン初のマルチプロセッシングマシンであるsun4mアーキテクチャ（SPARCserver 600MP）がサポートされました。ただし、カーネルは単一ロック方式であり、一度に一つのCPUのみがカーネルを実行できました。最後のリリースは1994年の4.1.4 (Solaris 1.1.2) で、sun4、sun4c、sun4mがサポートされましたが、sun4dはサポート対象外でした。SunOS 4.1.3および4.1.4は1998年12月27日まで出荷され続け、保守サポートは2003年9月30日に終了しました。
1987年、AT&Tとサンは、当時最も普及していたUNIXであるBSD（SunOS固有の機能を含む）とSystem V、XENIXを統合する共同プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの成果がSystem V Release 4 (SVR4) です。
1991年9月4日、サンは次のメジャーリリースでBSDコードベースからSVR4ベースへ切り替えることを発表しました。社内ではSunOS 5と呼ばれていましたが、対外的にはこの時点からSolarisという名称が使われるようになりました。このブランド名はSunOSだけでなく、OpenWindowsデスクトップ環境とOpen Network Computing (ONC) 機能も包含していました。
SVR4ベースのOSの大量出荷は翌年以降と予想されていましたが、サンは既存のSunOS 4（とOpenWindows）にもSolarisの名前を使い始めました。例えば、SunOS 4.1.1はSolaris 1.0と改称され、SunOS 5.0はSolaris 2.0の一部となりました。SunOS 4.1.xは1994年までリリースが継続され、それぞれにSolaris 1.xという名称が付与されました。バージョン番号の対応は単純ではなく、対応表で確認する必要があります。
SunOS 5はSolarisとして知られていますが、OS起動時にはSunOS 5の名称が表示されたり、unameコマンドの出力やmanページのフッターにも古い名称が残っていました。SunOS 5.x以降は、Solarisのバージョン番号との対応が単純で、マイナー番号が同じです。例えば、Solaris 2.4はSunOS 5.4に対応します。しかし、Solaris 2.6以降は "2." が表示されなくなり、マイナー番号のみが表示されるようになりました。したがって、Solaris 10はSunOS 5.10に対応します。
初期のSunOSには、SunTools（後のSunView）とNeWSというGUI環境が同梱されていました。1989年、サンはOPEN LOOK準拠のX11ベースの環境であるOpenWindowsをリリースしました。これにはSunViewとNeWSのアプリケーションサポート機能も含まれています。OpenWindowsはSunOS 4.1.1でデフォルトのGUIとなりました。
SunOSは、その後のSolarisの基盤となった重要なオペレーティングシステムであり、その技術は今日のUNIX系システムに大きな影響を与えました。
歴史
1983年、BSDの開発者であり中心人物であったBill Joyがサンを設立する際に、4.1cBSDを基盤とした新たなOSが開発されました。これがSunOSの始まりです。SunOSは、NISやNFSといった今日のUNIXシステムで標準となっている技術を次々と実装し、着実にバージョンアップを重ねていきました。
1987年、サンはAT&Tと提携し、標準的なUNIXシステムの開発を共同で進めることを発表しました。その後、1989年にAT&TからAT&T System V Release 4が発表され、SunOSはSystem Vへの全面移行を決定しました。Solaris 1.1.2 (SunOS 4.1.4) を最後に、カーネルはSunOS 5.xとなり、System VをベースとしたSolaris 2.xシリーズへと移行しました。
SunOSの初期バージョンであるSunOS 1と2は、Sun-2シリーズのハードウェアをサポートしており、Sun-1のCPU基板をMC68010にアップグレードしたSun-2も含まれていました。SunOS 3は、Sun-2とSun-3シリーズ（MC68020）をサポート。SunOS 4では、Sun-2、Sun-3、Sun386i、そしてSun-4 (SPARC) アーキテクチャをサポートしました。SunOS 4はSPARCプロセッサを本格的にサポートした最初のリリースであり、Sun-4システムはSunOS 3.2でも一部サポートされていました。
SunOS 4.1.2では、サン初のマルチプロセッシングマシンであるsun4mアーキテクチャ（SPARCserver 600MP）がサポートされました。ただし、カーネルは単一ロック方式であり、一度に一つのCPUのみがカーネルを実行できました。最後のリリースは1994年の4.1.4 (Solaris 1.1.2) で、sun4、sun4c、sun4mがサポートされましたが、sun4dはサポート対象外でした。SunOS 4.1.3および4.1.4は1998年12月27日まで出荷され続け、保守サポートは2003年9月30日に終了しました。
"SunOS" と "Solaris"
1987年、AT&Tとサンは、当時最も普及していたUNIXであるBSD（SunOS固有の機能を含む）とSystem V、XENIXを統合する共同プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの成果がSystem V Release 4 (SVR4) です。
1991年9月4日、サンは次のメジャーリリースでBSDコードベースからSVR4ベースへ切り替えることを発表しました。社内ではSunOS 5と呼ばれていましたが、対外的にはこの時点からSolarisという名称が使われるようになりました。このブランド名はSunOSだけでなく、OpenWindowsデスクトップ環境とOpen Network Computing (ONC) 機能も包含していました。
SVR4ベースのOSの大量出荷は翌年以降と予想されていましたが、サンは既存のSunOS 4（とOpenWindows）にもSolarisの名前を使い始めました。例えば、SunOS 4.1.1はSolaris 1.0と改称され、SunOS 5.0はSolaris 2.0の一部となりました。SunOS 4.1.xは1994年までリリースが継続され、それぞれにSolaris 1.xという名称が付与されました。バージョン番号の対応は単純ではなく、対応表で確認する必要があります。
SunOS 5はSolarisとして知られていますが、OS起動時にはSunOS 5の名称が表示されたり、unameコマンドの出力やmanページのフッターにも古い名称が残っていました。SunOS 5.x以降は、Solarisのバージョン番号との対応が単純で、マイナー番号が同じです。例えば、Solaris 2.4はSunOS 5.4に対応します。しかし、Solaris 2.6以降は "2." が表示されなくなり、マイナー番号のみが表示されるようになりました。したがって、Solaris 10はSunOS 5.10に対応します。
ユーザインタフェース
初期のSunOSには、SunTools（後のSunView）とNeWSというGUI環境が同梱されていました。1989年、サンはOPEN LOOK準拠のX11ベースの環境であるOpenWindowsをリリースしました。これにはSunViewとNeWSのアプリケーションサポート機能も含まれています。OpenWindowsはSunOS 4.1.1でデフォルトのGUIとなりました。
SunOSは、その後のSolarisの基盤となった重要なオペレーティングシステムであり、その技術は今日のUNIX系システムに大きな影響を与えました。
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