Ordet

株式会社Ordet：アニメ制作会社としての軌跡

株式会社Ordetは、かつて日本のアニメ業界で活躍したアニメ制作会社です。デンマーク語で「言葉」を意味する社名は、カール・テオドア・ドライヤー監督の映画『Ordet』（邦題：『奇跡』）に由来しています。

設立と初期の活動

Ordetは2007年8月に設立されました。代表取締役を務めたのは、アニメーション演出家の山本寛氏です。山本氏は、それまで京都アニメーションに所属していましたが、同社の判断により『らき☆すた』の監督を降板したことをきっかけに独立、Ordetを設立しました。設立当初は、山本氏をはじめ、実力のあるアニメーターや演出家が参加していました。

設立直後から、Ordetはアニメーション制作に携わり始めます。当初は、他の制作会社からの下請けとして、各話制作協力という形で多くの作品に参加しました。代表的な作品としては、『スケッチブック ～full color's～』や『撲殺天使ドクロちゃんセカンド』などがあります。これらの作品で、Ordetは着実に実績を積み重ねていきました。

A-1 Picturesとの連携と成長

Ordetは特にA-1 Picturesとの協働関係を深め、数多くの作品で制作協力を行いました。例えば、『かんなぎ』では山本氏が監督を務め、Ordetはプロダクション協力として関わっています。この作品はOrdetの代表作の一つとして知られています。他にも、『THE IDOLM@STER』や『WORKING!!』など、人気作品への参加を通じて、Ordetはアニメ業界における存在感を高めていきました。

ウルトラスーパーピクチャーズグループへの加入と廃業

2011年には、持株会社である株式会社ウルトラスーパーピクチャーズが設立され、Ordetはその傘下に入りました。サンジゲン、トリガー、ライデンフィルムといった他のアニメ制作会社と共にグループを形成し、より大規模なプロジェクトへの参加も可能となりました。

しかし、2016年3月、山本寛氏が代表取締役を辞任し、松浦裕暁氏に交代しました。その後、公式Twitterの更新停止、公式サイトからの連絡先情報の削除、ネットショップの閉鎖などが相次ぎ、Ordetは事実上廃業したと見られています。

Ordetの作品

Ordetは、テレビアニメ、劇場アニメ、OVAなど、幅広いジャンルのアニメーション制作に携わってきました。制作協力として参加した作品も多く、その多くは人気作品となっています。

主な制作協力作品:

テレビアニメ：『スケッチブック～full color's～』、『灼眼のシャナII』、『かんなぎ』、『ケメコデラックス!』、『フラクタル』、『THE IDOLM@STER』、『WORKING!!』、『坂道のアポロン』、『超訳百人一首 うた恋い。』、『WHITE ALBUM2』など
劇場アニメ：『サカサマのパテマ』
* OVA：『撲殺天使ドクロちゃんセカンド』、『となりの801ちゃんR』

まとめ

株式会社Ordetは、短期間ながらもアニメ業界に貢献したアニメ制作会社でした。山本寛氏を中心とした高い技術力と、他の制作会社との連携によって、数々の作品に携わることができました。その活動は、アニメ史において重要な一ページを刻んだと言えるでしょう。Ordetが制作に関わった作品は、現在も多くのファンに愛され続けています。

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