Ordinary±

Ordinary±（オーディナリープラスマイナス）

高橋慶太郎による漫画作品。『アフタヌーンシーズン増刊』でデビュー後、小学館のサンデーGXコミックスから単行本が発売された。1997年から1998年の東京を舞台に、銃と暴力が支配する世界で生きる少女の姿を描いたガンアクション作品。

概要

作者である高橋慶太郎が、プロの漫画家になるための修練を重ねていた時期に発表された作品。
『アフタヌーンシーズン増刊』で連載が開始されたものの、雑誌の休刊によりわずか4話で連載終了となった。
その後、『月刊アフタヌーン』にて前日譚である「Ordinary±梟-オウル-」編が掲載。
2007年には、本編4話に書き下ろしエピローグを加えた単行本がサンデーGXコミックスから発売され、「オウル編」も別冊付録として収録された。

物語

主人公は、国立西東京総合学園に通う16歳の少女、的場伊万里。彼女は、学園内で非合法な活動を行う生徒や関係者を「銃と弾丸」で抹殺する、秘密の「任務」を背負っていた。孤独な彼女は、サプレッサー付きのベレッタ92を手に、今日も学園と街を駆け抜ける。

各話概要

第1話「Ordinary±」: 臓器売買によって妻を失った男の、復讐劇の結末。
第2話「ニルヴァーナ（前編）」: 拳銃密輸団「春節」を巡るミッションと、伊万里の日常。
第3話「ニルヴァーナ（後編）」: 「春節」の首謀者たちへの制裁。
第4話「vector A・B」: 「春節」の残党が伊万里に刺客を放ち、迎撃戦が繰り広げられる。
エピローグ: 単行本書き下ろし。公園で食事をする伊万里の前に、高校生による蛮行が。
Ordinary±梟-オウル-: 学園入学前の伊万里を描いた前日譚。

登場人物

的場 伊万里（まとば いまり）: 主人公。文部省教育施設特査のヒットマン。小柄で無口、いじめられっ子だが、銃の腕は超一流。過去に「梟（オウル）」と呼ばれ、殺し屋として育成された。
美濃 芳野（みのう よしの）: 闇医者。伊万里の数少ない友人で、彼女をサポートする。関西弁を話し、『ガラム』を愛飲。
州央（すおう）: 伊万里と仙崎の間を取り持つ連絡員。挑発的な言動で伊万里をからかう。
仙崎 時光（せんざき ときみつ）: 伊万里の直属の上司。姿を見せず、声だけで指示を出す謎の男。
籾畑先生（もみはたせんせい）: 政経担当の教師。温厚なベテランだが、裏では妻の復讐を企んでいる。
王 美棕（ウァン・メイヅゥン）: 伊万里の学校に潜入したスナイパー。川口弥生と名乗り、ステアーAUGを使用。
吉田 国広（よしだ くにひろ）: 文部省の官僚。臓器売買に関与し、複数の組織から恨みを買っている。
和田 晴花（わだ せいか）: 高校生による銃器密輸グループのリーダー。トカレフTT-33を使用。
甲田 明弘（こうだ あきひろ）: 銃器密輸グループの幹部で、晴花の幼馴染。
雨村 謙二（あめむら けんじ）: 銃器密輸グループの幹部。バイク乗りで、イングラムM11を操る。
遠藤 涼子（えんどう りょうこ）: 和田たちの友人で、伊万里をいじめていたグループの一人。
ミハイル・ムルソー・ペキチェフ: 通称ペコ。スロバキア人の元SVD隊員。CIAのヒットマンで多種多様な銃火器を扱う。
李 閃（リ・シアン）: 中国からの暗殺者。春雷と呼ばれ恐れられる凄腕で、伊万里と同じく職業兇手として育てられた。中華圏時代の伊万里を知っている。

Ordinary±梟-オウル-（オウル編）

本編の前日譚。学園に入学する直前の伊万里の物語。少女を守るため、殺し屋同士の激しい戦いが繰り広げられる。

書籍情報

Ordinary±（2007年11月19日発売、サンデーGXコミックス）ISBN 4-09-157114-X

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