P・J・タッカー

P.J.タッカー：不屈のディフェンダー、NBAを渡り歩くベテラン

P.J.タッカー（本名：アンソニー・レオン・タッカー・ジュニア）は、1985年5月5日生まれのアメリカ合衆国出身のプロバスケットボール選手です。現在はニューヨーク・ニックスに所属し、パワーフォワードまたはスモールフォワードとしてプレーしています。登録名の「P・J」は、父親からの愛称「ポップ・ジュニア」に由来します。

NBA入団と海外での研鑽

テキサス大学でラマーカス・オルドリッジと共に3年間プレーした後、2006年のNBAドラフトにアーリーエントリーを表明し、トロント・ラプターズから35位で指名を受けました。しかし、ルーキーシーズンはわずか14試合の出場に終わり、シーズン終了後に解雇という苦渋を味わいました。

NBAでの居場所を失ったタッカーは、2007年からユーロリーグなど海外リーグに活躍の場を求めます。イスラエル、ウクライナ、イタリア、ギリシャ、ドイツなど、様々な国のリーグでプレーし、多くの優勝を経験しました。特に、2011-12シーズンに所属したBBL（ドイツ）のブローゼ・バスケッツではリーグ優勝に貢献しました。

NBA復帰とディフェンスのスペシャリストへ

海外での実績を引っ提げ、2012年8月1日にフェニックス・サンズと2年契約を結び、念願のNBA復帰を果たします。サンズでは、持ち前のディフェンス力を発揮し、チームに貢献。2014年のオフには、サンズと3年総額1,650万ドルの契約延長に合意しました。

その後、2017年2月23日に古巣のトロント・ラプターズへ移籍。同年7月1日には、ヒューストン・ロケッツと4年総額3,200万ドルの契約を結びました。ロケッツでは、スモールフォワードのトレバー・アリーザの存在もあり、パワーフォワードとしての出場機会が多くなりました。2017-18シーズンのプレーオフでは、カンファレンスファイナル第7戦までの全17試合に先発出場し、平均33.5分で8.9得点6.5リバウンドと重要な役割を果たしました。2019年1月7日のデンバー・ナゲッツ戦では、キャリアハイとなる7本の3ポイントを含む21得点を記録し、チームを勝利に導きました。

バックスでの優勝とヒート、76ersでのプレー

2021年3月19日、ミルウォーキー・バックスへトレード移籍。バックスでは、自身初となるNBA優勝を経験しました。これは、バックスにとっても50年ぶりの優勝となりました。

2021年8月7日にはマイアミ・ヒートと2年1500万ドルで契約。古巣バックスとの対戦では、バックスファンから温かい歓迎を受け、チャンピオンリングを贈呈されました。

2022年7月6日、フィラデルフィア・76ersと3年総額3,320万ドルの契約に合意。2023年2月25日のボストン・セルティックス戦では、シーズンハイとなる16リバウンドを記録しました。

クリッパーズ、ジャズ、ラプターズを経てニックスへ

2023年11月1日、大型トレードでロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。しかし、2024年2月15日には、トレード要求に関する発言が問題視され、NBAから75,000ドルの罰金処分を受けました。その後、ユタ・ジャズ、トロント・ラプターズと短期間でチームを渡り歩き、2024年2月28日にラプターズから解雇されました。

2024年3月10日、ニューヨーク・ニックスと10日間契約を結び、再びNBAの舞台へ。

P.J.タッカーは、その屈強な体格と献身的なディフェンスで、チームに貢献するベテラン選手です。常に勝利を追求する姿勢は、多くのファンに愛されています。

選手の通算成績と情報 NBA、NBA日本、Basketball-Reference

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