P-2 (航空機)

P-2 対潜哨戒機について

P-2は、アメリカ合衆国のロッキード社が開発した対潜哨戒機であり、1947年から1978年までアメリカ軍に正式に運用されていました。この機体は「ネプチューン」と呼ばれ、ローマ神話の海神にちなんで名付けられています。第二次世界大戦の終結後、アメリカ軍は新たな対潜哨戒能力を必要としており、これに応える形でP-2の開発が進められました。

開発の経緯

P-2の開発は1943年に遡ります。アメリカ海軍は当時、V146案を採用するようベガ社に要求しました。この要求を受けてベガ社は既に研究を行っていた案を基に開発をスタートさせ、1944年には試作機が完成しました。試作機は1945年に初飛行を果たし、1947年には海軍での運用が始まりました。1962年には名称がP-2に変更され、以降運用が続けられました。

特筆すべきは1946年に達成した無着陸飛行記録です。「タートル」と名付けられたP2V-1初号機が、パースからコロンバスまでの18,227kmを55時間17分かけて飛行したことは記憶に残る偉業です。この記録は、1962年まで破られませんでした。

運用の変遷と役割

ベトナム戦争以降、潜水艦技術の進化に伴い、P-2は次第にその役割を失っていきました。新型機であるP-3「オライオン」が導入され、アメリカや他国軍はそれに置き換えていきましたが、P-2は1970年代初頭まで第一線で使用され、1978年に引退しました。その後も中古機の払い下げが行われ、空中消火機や貨物機などに転用されるケースが見られました。

日本での運用

日本では1954年に海上[[自衛隊]]が発足し、アメリカ海軍からの供与を受けたP-2は初めての実用対潜哨戒機として893“A”部隊で運用されました。以降、P2V-7の16機が日本へ配備されたことで海上[[自衛隊]]の対潜能力が格段に向上しました。これにより、近代的な対潜作戦が展開可能となり、1960年代にはさらなるライセンス生産と改良が行われました。1979年にはP-2Jに基づく新型機が登場し、 P-2シリーズは1980年代まで運用され続けました。

機体の設計と性能

P-2は中型クラスのレシプロエンジンを持つ双発プロペラ機ですが、2基のターボジェットエンジンを補助的に搭載しています。コンパクトな設計ながら視界が良好で、幅広い対潜機器を搭載していることが大きな特徴です。機体の重量バランスのため、滑走路への着陸時に事故が散見されましたが、その強固な構造により大きなトラブルは少なかったとされています。

結論

P-2はその多彩な運用方法と性能により、アメリカ軍のみならず、他国軍隊にも採用されるほどの名機となりました。時代と共に姿を変えたこの機体は、後の重要な対潜哨戒機の基盤を作ったとも言える存在です。現在も一部は転用されており、長い歴史を持つ航空機として語り継がれています。

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