P-7 (航空機)

P-7は、アメリカのロッキード社が開発を予定していた対潜哨戒機です。1980年代、アメリカ海軍は、ソ連の原子力潜水艦に対抗するため、P-3Cよりも長時間の哨戒活動が可能な新型機の必要性を感じていました。

[ロッキード]]社は、1986年頃からP-3Cの改良型であるP-3Gの開発を進めていました。1988年、アメリカ海軍は新型長距離対潜哨戒機]の提案募集を行い、[[ボーイング757やMD-91の改造案が出される中、P-3G案が採用されました。この機体にはP-7という名称が与えられ、1989年1月から本格的な開発が開始される予定でした。

P-7は、P-3Cを拡大・改良したもので、ペイロードの増加に伴い主翼も拡大され、全幅が大きくなりました。尾部のMADブームは機外に突出しない設計となり、全長は短縮されました。また、アビオニクス機器も近代化される予定でした。

計画では、1992年までに2機の試作機が製造され、量産型は1994年から2001年にかけて125機が製造される予定でした。開発費は6億ドルを目標とし、最大7.5億ドルの固定費制とされました。しかし、1989年11月、ロッキード社は開発の遅延を発表。試作機の初飛行が2年ほど遅れるだけでなく、開発費が3億ドル超過する見込みであることを明らかにしました。この開発費超過に加え、冷戦終結という状況の変化もあり、1990年7月、P-7の開発は中止されました。開発された機器の一部は、P-3Cの近代化改修に活用されています。

イギリスのBAE ニムロッドMR2の後継機としての提案も検討されましたが、これも中止となりました。

要目（計画値）
全長：34.35m
全幅：32.49m
全高：10.04m
自重：42,627kg
全備重量：74,843kg
機関：ゼネラル・エレクトリック T407ターボプロップエンジン4基（6,000軸馬力）

参考文献
FASによる解説

関連項目
P-8 - ボーイング737を改造した哨戒機で、P-3Cの後継としてアメリカ海軍などで採用されています。
* P-1 - 川崎重工業が開発した哨戒機で、P-3Cの後継として海上自衛隊が採用しています。

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