P-75 (航空機)

P-75イーグル

P-75は、アメリカの自動車メーカーであるゼネラル・モータースのフィッシャー・ボディ部門によって開発された戦闘機です。この機体は、アメリカ陸軍航空軍向けに設計され、愛称はイーグル(Eagle)です。開発は1942年に始まり、初飛行は1943年の11月17日でしたが、結局12機が生産されただけで開発は中止されました。

概要と開発経緯

1942年、アメリカ陸軍航空軍は大型爆撃機の護衛機が必要とされ、P-75の開発がスタートしました。開発の主な方針として、既存の航空機部品を可能な限り流用することが掲げられました。これにより、生産コストを抑えることを目指しました。

具体的には、主翼にはP-40戦闘機の外翼を、尾翼にはダグラスSBD爆撃機の尾翼を、さらに主脚にはチャンスヴォートF4U戦闘機の部品を利用することが検討されました。その後、外翼の部品はP-51戦闘機のものに変更されました。こうした構造は、コスト削減を図る一方で、整備や部品供給の効率化も促しました。

この機体は、エンジンにアリソンV-3420ダブルV型エンジンを搭載しており、胴体中央部から延長されたシャフトを介して機首にある二重反転プロペラを回しています。大馬力を実現しつつ、流線型の機首デザインを兼ね備えた意欲的な設計でしたが、エンジンの冷却不足や延長軸の振動、機体の重心位置の異常など、性能面ではさまざまな問題が発生しました。

初飛行と開発中止

1943年11月17日に初飛行を行ったP-75は、当初の期待とは裏腹に、エンジン冷却や振動の問題が続出しました。また、期待された性能も得られず、試作機と量産機を合わせてわずか12機の生産にとどまりました。こうしたトラブルが重なり、開発は急遽中止されることとなりました。

仕様

P-75の仕様は次の通りです：

• - 全長：12.3 m
• - 全幅：15.0 m
• - 全高：4.72 m
• - 全備重量：6,263 kg
• - エンジン：アリソンV-3420-23 (出力2,885 hp)
• - 最大速度：696 km/h
• - 実用上限高度：12,040 m
• - 武装：12.7mm機関銃×10 および 225kg爆弾×2
• - 乗員：1名

このように、P-75はその特異な設計と生産数の少なさから、航空機歴史において興味深い存在となっています。特に、搭載された機関銃の数は、当時の最新鋭爆撃機B-29に匹敵するほどであり、その意気込みと技術的挑戦は今も語り継がれています。

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