PBSUCCESS作戦

PBSUCCESS作戦について

PBSUCCESS作戦（Operation PBSUCCESS）は、1954年にアメリカ合衆国中央情報局（CIA）が実施したグアテマラにおける政権転覆計画です。この計画の背景には、当時のグアテマラ大統領ハコボ・アルベンス・グスマンの社会主義的な政策がありました。アルベンスは、国土の農地改革やマヤ系インディオの権利向上を目指しており、その進歩的な政策は多くの支持を集めていました。しかし、このことがアメリカの企業や政府と対立を引き起こす原因となります。

アルベンス政権の誕生とアメリカとの摩擦

1944年、グアテマラの独裁政権が崩壊し、続く政権では「進歩的」な改革が推進されるようになりました。アルベンスは1950年に大統領選挙に勝利し、就任後は農地改革を進めるなどの社会主義的な政策を実施しました。特に1953年には、アメリカのユナイテッド・フルーツ社の土地を接収する決定を下し、これがアメリカ側の反発を招きました。

アルベンス政権がアメリカの企業の利害を損ねたことから、アメリカ政府は彼を「共産主義的脅威」と見なすようになります。その結果、CIAは彼の政権を転覆させる計画を立案し、PBSUCCESS作戦へと発展しました。

CIAの介入と政権の崩壊

1953年には、アメリカの駐グアテマラ大使にジョン・ピュリフォイが就任しました。彼は反アルベンス派との接触を持ち、アメリカのサポートを受けたボディガードや傭兵軍がアルベンスに対抗する動きを加速させました。1954年5月にはグアテマラ政府とアメリカの国交が断絶し、ほどなくして反アルベンス派のカルロス・カスティージョ・アルマス元陸軍大佐がグアテマラへの侵攻を開始しました。この侵攻はアメリカの支援を受けたもので、アルベンス政権は敵の攻撃に対して防衛する力を失い、最終的には辞任を余儀なくされました。

結果とその後の影響

アルベンスが政権を去った後、彼が進めていた進歩的な改革はすぐに撤回され、再び独裁的な政治体制が復活しました。グアテマラではウビコ時代のようにアメリカからの支援を受けた弾圧体制が築かれ、国民は再び自由を失いました。

しかし、アルベンスの政策に共鳴していた一部の軍人たちは反政府ゲリラを組織し、これが後のグアテマラ内戦へと繋がることとなります。1960年以降は、キューバを経由してソ連からの支援を受けた反政府軍が活動を強化し、長期にわたる内戦の引き金を引くこととなりました。

このように、PBSUCCESS作戦は単なる政権転覆を越え、後のグアテマラ内戦に大きな影響を及ぼす事件となりました。

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