カルロス・カスティージョ・アルマス

カルロス・カスティージョ・アルマス：激動のグアテマラにおける生涯と暗殺

カルロス・カスティージョ・アルマス（1914年11月4日 - 1957年7月26日）は、グアテマラの軍人であり、政治家でした。彼は1954年にアメリカ合衆国のCIAが組織したクーデターを主導し、グアテマラの臨時大統領に就任しましたが、3年後に暗殺されました。彼の死後、グアテマラでは30年以上にわたる軍事独裁の時代が始まりました。

生い立ちと軍歴

カスティージョ・アルマスは、エスクィントラ県サンタ・ルシア・コツマルグアパで生まれ、国立軍学校を卒業しました。若き日から軍人としての道を歩み始め、着実にキャリアを重ねていきました。

グアテマラ革命とカスティージョ・アルマスの台頭

1944年6月、ホルヘ・ウビコ大統領が反政府運動によって辞職した後、フアン・フェデリコ・ポンセ・バイデス将軍が臨時大統領に就任しました。しかし、同年10月にはフランシスコ・ハビエル・アラナとハコボ・アルベンスに率いられた将校によるクーデターが発生し、ポンセ・バイデス政権は倒されました。この出来事がグアテマラ革命の始まりです。同年12月に行われた選挙で、フアン・ホセ・アレバロが大統領に選出されました。

新政府において、カスティージョ・アルマスはグアテマラ国軍の幕僚に就任し、1945年10月から1946年4月にかけてアメリカ合衆国カンザス州レブンワース砦にあるアメリカ陸軍指揮幕僚大学で訓練を受けました。この留学中に米軍内に多くの友人を作ったことが、後の彼の運命を大きく左右することになります。1947年には国立軍学校の校長、1949年にはスチテペケス県マサテナンゴ第4軍管区の司令官を歴任しました。

反政府運動への参加と亡命

グアテマラ革命の功労者であるアラナとアルベンスの間には、次第に緊張が高まりました。アラナはアレバロ大統領に対し、アルベンス派を政権から排除しなければクーデターを起こすと脅迫しましたが、1949年7月18日に暗殺されました。アラナの支持者の多くは反乱を起こしましたが、指導者を欠いたために失敗に終わりました。

当時マサテナンゴにいたカスティージョ・アルマスは、この反乱には加わらなかったものの、アラナ派とみなされて司令官の任を解かれ、翌月には逮捕されました。12月に釈放された後、カスティージョ・アルマスはCIAを含む国内外の勢力と接触し、政府打倒を目指すようになりました。1950年にはラ・アウロラ軍事基地でクーデターを試みましたが失敗し、負傷して死刑を宣告されました。しかし、彼は脱獄してコロンビア大使館に逃げ込み、その後亡命しました。一方、アルベンスはその年の選挙で圧勝し、次期大統領に選出されました。

CIAとの連携とクーデター

亡命後のカスティージョ・アルマスはCIAと連絡を取り続け、CIAは反アルベンス派を支援するPBFORTUNE作戦を立案しましたが、アルベンス政権を倒すには至りませんでした。1953年にドワイト・D・アイゼンハワーがアメリカ合衆国大統領に就任すると、国務長官ジョン・フォスター・ダレスとその弟であるCIA長官アレン・ウェルシュ・ダレスは、カスティージョ・アルマスにクーデターを起こさせるPBSUCCESS作戦を新たに立案しました。1954年5月にアルベンスがチェコスロバキアから武器を購入したことが明らかになり、CIAは最終的にアルベンスが共産主義者とつながっていると判断し、クーデターを決断しました。

1954年6月15日、カスティージョ・アルマスの率いる約500人の兵士からなる国民解放軍が、ホンジュラスおよびエルサルバドルの国境地帯を越えてグアテマラに侵入し、国境に近いチキムラ県エスキプラスを占領しました。しかし、反乱軍の規模は小さく、強い抵抗にあってそれ以上の成功を収めることはできませんでした。しかし、グアテマラ国軍はアメリカが直接海兵隊を送ってくることを恐れ、これがアルベンスと軍の反目を招きました。この状況を利用して、カスティージョ・アルマスは県都チキムラを6月23日に占領し、25日には首都グアテマラシティのマタモロス砦を航空機によって爆撃しました。そして6月27日、アルベンスは大統領を辞任しました。

大統領就任と政治

1954年7月はじめに軍事評議会（フンタ）が設立され、カスティージョ・アルマスは評議会のメンバーとして加わり、その2か月後に正式に臨時大統領に就任しました。

カスティージョ・アルマスの政治の基本は、グアテマラ革命の10年間の改革をすべて否定することでした。農地改革法は廃止され、農地改革によって農民に与えられた土地は元の大土地所有者に戻されました。CIAからの要請により、彼は反共産主義防衛委員会を設立しましたが、これはラテンアメリカ初の死の部隊と見なされています。カスティージョ・アルマスは政府から左翼シンパと疑われる人物を政府や労働組合から排除し、ウビコ時代の秘密警察を再結成しました。

1955年、カスティージョ・アルマスは翌年に予定されていた大統領選挙を延期しました。自ら国民解放運動という党を結成し、他の党から大統領候補を出すことを禁止しました。1945年の憲法は破棄され、新たな憲法が1956年に制定されました。

暗殺とその後

1957年7月、カスティージョ・アルマスは大統領官邸内で衛兵のロメオ・バスケス・サンチェスによって暗殺されました。バスケス・サンチェスがその直後に自殺したため、暗殺の理由は今も不明のまま残っています。彼の暗殺後、グアテマラはさらなる混乱と軍事独裁の時代へと突入しました。

カルロス・カスティージョ・アルマスの生涯は、グアテマラの激動の歴史を象徴しています。彼の行動は、グアテマラの政治、経済、社会に大きな影響を与え、その遺産は今日にも及んでいます。

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