PDF.js

PDF.jsは、ウェブブラウザ上でPDFファイルをレンダリングするためのJavaScriptライブラリです。HTML5 Canvasを利用して、PDFファイルをウェブ標準に準拠した形で表示します。2011年にアンドレアス・ガル氏によって開発が開始され、現在はMozillaが中心となって開発が進められています。

歴史と利用

PDF.jsは、ウェブサイトやウェブブラウザの一部として利用されており、元々はFirefoxの拡張機能として開発されました。2012年からはFirefoxに内蔵され、2013年からはデフォルトで有効になっています。また、ownCloudやNextcloudなどのクラウドサービスにも統合されています。さらに、Google Chrome、Chromium、Firefox for Android、Pale Moon、SeaMonkeyなど、様々なブラウザ向けの拡張機能としても提供されています。

開発者は、ウェブやネイティブアプリケーションでのPDFの描画・表示や、サーバーサイドでの描画処理のためにPDF.jsを組み込んでいます。DropboxではPDF文書のプレビュー機能に、SlackやLinkedInでは講座資料のオンライン表示に、PDF.jsが利用されています。また、一部のソフトウェア開発製品は、PDF.jsを拡張して利用しやすいように開発されています。

動作

PDF.jsは、ほとんどの一般的なPDFファイルの表示には適していますが、ファイルサイズが大きい場合や、画像が多いPDFファイルでは、動作に問題が発生する場合があります。ある分析では、一部のPDFファイルで、ファイルの破損や複雑さが原因でPDF.jsがクラッシュしたりフリーズしたりすることが報告されています。PDF.jsはPDF仕様の大部分をサポートしていますが、一部の機能は未実装であり、文書内で使用されている機能によっては表示に影響が出る場合があります。

PDF.jsで未実装または不完全なPDF機能には、以下のようなものがあります。

オプション内容グループ（OCG）
ICCプロファイル
特色
オーバープリントのシミュレーション
透明度グループ（ノックアウト/隔離）
いくつかのパターンとシェーディング
忠実度の高い印刷
インタラクティブで記入可能なフォーム

PDF.jsの開発コミュニティは、ウェブブラウザ上でのPDF.jsの動作は、ブラウザがPDF.jsに必要な機能をサポートしているかどうかに左右されると指摘しています。特に、FirefoxとChromeでは、PDF.jsが完全にサポートされ、自動テストも実施されているため、性能と信頼性が最も高いとされています。

脚注

注釈

出典

関連項目

PDFソフトウェアの一覧
ORBX.js
Shumway

外部リンク

ウェブサイト'>公式ウェブサイト
* GitHub'>pdf.js - GitHub

もう一度検索